その水増し、バレてます。「反面調査」で暴かれる手口と、泣き寝入りする経営者たち

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、その水増し、バレてます。「反面調査」で暴かれる手口と、泣き寝入りする経営者たち。

経費の水増しは見抜けるのか?

「おコメの女」第2話を見ました。

ストーリーではサラッとしか触れられていませんでしたが、今回の税金のごまかし方は「経費の水増し」というものでしたね。

私も多少は税務調査の調査をする側の仕事をしておりましたので、

やはり経費の水増しは、調査官としてはぜひ見つけたいものですね。

職場の評価も上がりますから。

とはいえ、そう簡単に見つけることもできないわけです。

なぜか?

売上をごまかすのはまだいいんです。

何か仕事をして、お金をもらった。

それを隠した。

隠したお金が税務調査で指摘を受けるだけですからね。

ところが経費の水増しとなりますと、

第三者には関係ないでしょう、という話なんですよ。

商品を買う側と売る側で、

とある商品について「100万円で取引します」と決めているわけです。

それを税務署が介入して、

「本当は50万円が正しい値段だ」

と処分するわけです。

日本では、取引自由の原則というものがありまして、

一部例外はあるにせよ、お互いが合意をしていれば、その値段は合法なんです。

国が出てきて値段を勝手に決めるというのは、よほどの例外事態です。

税務署がのさばってきて、お互いで決めた値段をひっくり返すというんですからね。

そう簡単にはいきません。

相手のところに証拠が残る

大体。

こういう経費の水増しをするような場合は、取引相手の協力が不可欠です。

商品を買う先から「水増しをした請求書」をもらわなければならないでしょうし、

水増しした経費の部分を、取引先からキックバックさせるわけですからね。

それはそうですよね。

買う側から見れば本来の取引価格よりも多く、お金を払っているわけですから、払った分を取り返さないと、単に取引相手を儲けさせるだけで終わってしまいますからね。

水増し分をキックバックさせて、そのお金を溜め込んでおくか、あるいは、プライベートでパッと使ってしまうか。

さっきも言いましたように、お互いの合意の上で決めた取引価格は合法なわけですから、

買った側の書類を見ていても水増しの証拠はなかなかつかめないものです。

まぁ、「水増ししましょうね」というやりとりの記録でも押さえることができたのなら話は別ですが、

普通、そんなものは削除しますし、わざわざ調査官に素直に出したりしません。

なのでこういう時は、売った側のところに行って話を聞きます。

これは「反面調査」なんて呼んでます。

買った側で証拠をつかめなくても、

売った側の所では水増しの証拠が残ってる可能性が高いのです。

水増ししたお金はキックバックすることが多い、とお話しましたね。

という事は、売った側の帳簿には、キックバックしたお金のやりとりが載っている可能性が高いんです。

そもそも、水増しをしたお金を受け取った相手からすると、それは「売上」ですからね。

いくら水増しされたとはいえ、売上の金額を、「これは水増しされた売上だから」といって少ない金額で帳簿に書く納税者の方はいらっしゃらないと思います。

税理士としても、どうして(水増ししで出した)請求書の金額と帳簿に載っている売上の金額が違うのか、聞きますもの。

水増しされた売上を帳簿に載せている以上、水増し分を買った側に戻すときには「何らかの支払い」という形で帳簿に載せている可能性が高いのです。

当然、支払いに関する資料はありますよね・・・?

というふうにお話を進めていき、経費の水増しの証拠を押さえていくのです。

実際は、悲しい結果に

でも、水増しをしたことを認めない、という事はよくあります。

「これは相手へのキックバックの支払いでは?」

と聞いても、

言えませんとか、答えられませんと言うのです。

それはそうですよね。

キックバックしている相手は自社の得意先ですよ。

税務署よりも、売上を払ってくれる得意先の方が大事というのは、事業者にとっては本音ではないでしょうか?

「おコメの女」のドラマの中では、水増しをしたことを認めたとサラッと触れられていましたが、まぁドラマですから。

現実では、どうするのか?

キックバックと思われる支払いを経費として認めない形で、協力相手に修正申告を出してもらった終了。

え?水増しをした売上はどうなるのか?

触りませんよ。

だって、水増しをしたって認めていないんですから。

正当な売上なのですよね?

水増しした売上で利益も計算したうえキックバックの経費も認めてもらえない。

税金の負担は大きくなりますね。

でも、事業主として社長として、大事な得意先を税務署に売り渡すわけにはいかない・・・。

水増しの決定的な証言を得られない以上、税務署もそれ以上は踏み込めません。

こういう悲しいことは現実にあるのです。

本当に、ビジネスの現場は厳しいものですね。

【編集後記】

昨日は午前中はブログ更新。

午後からは外出。