証拠は「組合せ」で補強する②

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、証拠の組合せについて。続き。

目に見えない取引

これもよくあるパターン。

一般的にはサービス業とか言われているような仕事。

成果物が第三者にはカタチとして目に見えずらい取引。

こういう取引は、税務調査では注意深く内容を確認をしていました。

「目に見える取引」であれば心配ないのです。

この取引で納品された商品はどれですか、と聞かれたら、これですと見せればよい。

もしその瞬間にモノが無くても、該当物を運んではいるはずですから、どこかしらに形跡は残るもの。

メールで納品だったら、なおのこと確認は容易ですね。

これが、「目に見えない取引」だと、当事者以外の第三者に取引を行った形跡を見せるのはなかなか難しいのです。

そしてだからこそ、「不正取引」を行いやすいものでもあります。

具体的に例えば、コンサルサービス。

これ、多いんですよね。

実際には受けていないのに、コンサルを受けたことにしてお金を払って経費にする。

経費が増えれば税金は減ります。

もちろん、脱税です。

「目に見える取引」の場合、存在しない取引を存在したようにするためには相当な手間暇かけて体裁を整える必要があります。

モノが動くわけですからね。

でも、コンサルのように「目に見えない取引」の場合は、割とお手軽にできてしまうのです。

だからこそ、税務調査の際には事実確認を執拗に受けることになるのです。

この場合、請求書と銀行の通帳だけでは不十分。

コンサルのレポートなどがあれば、良いのですが・・・。

レポートを出されないこともあるでしょうから、そういうときは自分自身で受けたコンサルの内容についてメモでも作っておくしかないでしょう。

あと、会議室などでコンサルを受けるような場合、当然そこまでの旅費が発生するわけです。

私はスマホにICカードを入れて、毎月履歴をダウンロードして保存するようにしていますので、駅を出た時間帯も証拠として提出できるわけです。

そうすると、少なくとも会場に移動した形跡は間違いないわけですからね。

もちろん、別にコンサルを受けることが悪いわけではないので、そこはご安心ください。

問題は、こういうコンサルサービスを使って税金をごまかす方なので。

ただ、まっとうに申告をしている場合でも、痛くもない腹を探られるのはイヤでしょうから、「自衛」のつもりで備えはしておきましょう。

プライベートと混じっている

個人事業者の場合は「家事関連費」とか言いますね。

100%事業ではなくて、プライベートの一部混じっているような取引。

例えば、旅費交通費。

遠方での仕事があった。飛行機代、新幹線代、ホテル代がかかります。

現地で仕事を済ませてすぐに帰宅する。これなら何の問題もありません。

現地での仕事。クライアントとの打ち合わせもあるでしょう、打ち合わせ先への移動もしているでしょう。

現地に赴くにあたって、クライアントと調整した形跡だって残っているはず。

でも・・・。

せっかく普段行かない土地に行ったのだから、仕事だけしてさっさと帰って来るのも味気ない。

これは、否定できないですね。

仕事が終わり、新幹線の時間まで多少は余裕がある。少し観光しようかな・・・。

こういう場合、新幹線代を経費にしていいのかどうか。

私が回答するなら、

「その日のうちに帰宅するのであれば新幹線代は経費でもいいのでは」

とお伝えするでしょうね。

ただし、仕事とは関係なく観光のためにわざわざ余計に宿泊した、となると話は別。

宿泊代はプライベートの費用となります。移動代も、全額経費とは処理しないでしょう。

ポイントは、どこまでが仕事で必要だった経費か、どこからがプライベートの経費なのか、わかるようにしておくこと。

区分けを曖昧にしている場合、説明するときも曖昧になりますからね。

普段の行動で自然と

組み合わせる証拠は、普段の行動で自然と集まっているものであれば一番良いです。

証拠のために何かしよう、と思ってもかえって仕事の邪魔ですからね。

例えば、

  • クライアントとやり取りするときはメールなどカタチが残るツールを使う。
  • 自身の仕事での移動は時間の履歴が残せるものを使う。
  • 誰かと打ち合わせをしたときは、メモを残しておく。

こういうことでいいと思います。

かしこまった「レポート」とかでなくてもいいのです。

組み合わせる証拠のために手間暇かけすぎるのは、本末転倒ですね。

また、こういう手段で自分の事業活動の履歴・記録を残しておくということは、別に税務調査だけのためではありません。

履歴・記録は、事業活動の上でのトラブルの防止全般にも役立つはずです。

税務調査対策という点に限らず、自分の仕事の記録をどうすれば残しておけるか、考えてみるのもいいのではないでしょうか。

【編集後記】

この点、「電話を使わない」だけでも効果は大きいはずです。

この世のトラブルの大半は「言った言わない」に起因するのではと、勝手に思っていますので。

テキストベースでコミュニケーションが取れない方には、ちょっと辛いかもしれませんが・・・。

さて、昨日は朝一にブログを下書き。

お昼前に外出し、昼食を済ませてから眉毛サロンに。ぶちぶち抜いてもらいました。

図書館に寄って夕方に帰宅、ブログ更新。

夕食後は「モンハンワイルズ」。ついに上位へ。