個人事業主と「ひとり社長」の違いは何か?
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、個人とひとり社長の違いについてお話します。
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何が違う?
個人と会社の税金の違い。
こういうと、真っ先に思いつくのは所得税か法人税か。
ここが大きいですよね。
所得税と法人税は制度そのものが大きく違いますし、
申告書の用紙も全然違う。
所得税だと申告書2枚と決算書を提出する程度でしたが、
法人税の場合は申告書は会社ごとに違いますし10枚以上になることも普通。
しかも決算書の種類も増え、勘定科目の明細だったり概況書とか言うのも出さなきゃいかん、と。
ちなみに消費税は、個人事業主だろうが会社だろうが納税はありますし、作る申告書自体はあまり変わりませんね。
税金面で見ると、なんだかめんどくささが増えるな~という印象でしょうか?
でも、私が言いたいのはそういうことではありません。
人を雇っているか否か
人を雇用しているのかいないのか。
ここに大きな違いが出るのです。
ひとりでビジネスを回している個人事業主と、
社長ひとりしかいない会社。
どちらも同じように見えるのですが、人を雇っているかどうかという観点で見るとこの2つは全く違うのです。
個人事業主は良いでしょう。自分ひとりしかいないのですから、自分で自分を雇うということは不可能です。
では会社は?
「社長」を雇ってますよね。
「会社の株主も自分だし事業資金も自分で出したしあれもこれも全部自分ひとりでやってるのに、会社に雇われてるってどういうこと?」
確かに不思議に思いますよね。
特に、個人事業主から法人成りして会社を作った場合には余計に思うことでしょう。
今までとビジネスの中身自体は変わりませんもんね。
整理をしておきましょう。
まず前提として、会社と社長は「別存在」です。
たとえ社長がひとりしかいないとしても、会社は会社としてビジネスをしているのであって、社長が個人でビジネスをしているわけではありません。
取引先の方は社長個人と仕事をしているのではなく、法律上は会社を相手に取引をしているのです。
だって、請求書は会社の名義で出すでしょうし、入ってくる売上は会社のモノでしょう?
社長個人のモノではないはずです。
「・・・でも、会社って存在しないじゃないですか?目に見えないでしょ?」
はい、その通り。会社がビジネスをしていると言っても、「会社さん」なる存在が何らかの行動をしてビジネスをしているわけではないです。
会社さんがビジネスをするために雇われているのが「社長であるあなた」なのです。
だから、会社から給料をもらっているんですよね?
社長とは、会社から給料をもらって雇われている存在なのだ、ということ。
ここが個人事業主と決定的に違うところなのです。
ひとりでビジネスを経営しているとしても、
個人事業主は本当に自分だけ、
会社の場合は、ビジネスの名義を持つ会社と、雇われている社長のふたりが出てくるのです。
人を雇うということは・・・?
給料関係の事務が増えるということです。
毎月の給料の計算と支払、所得税や住民税・社会保険料の天引き、納付。
それから年末調整と源泉徴収票の作成から自治体への提出。
こういう仕事が増えるのです。
完全ひとりの個人事業主はこういうのは一切関係ないですね。
会社形態にチェンジした瞬間にこういった諸々の事務が発生することになるのです。
ですから、一般的な税理士報酬は会社の方が高めの設定になっているのです。
(もちろん、これだけが要因ではありませんが。)
こういうものはあらかじめわかっておかないと、役所というものはイジワルな面もあって、
自分で情報を取りに行かないと教えてくれないのです。
また情報提供をしてくれたとしても、郵便物であることが多いので、何か役所から郵便来てたなと放っておくと・・・
期限が過ぎてから役所から矢の催促、なんてことは本当に良くある話。
会社にしてみようと気軽に手を出すのは、私自身は反対です。
弊事務所では、安易に会社を作ることは勧めておりません。
こういうことが起こるのですよとしっかりお話をさせていただき、慎重に事を進めるようにご相談をさせていただいております。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からはクライアントの決算作成。過年度分の固定資産台帳の検証に苦戦。
税理士変更の場合、このあたりのデータの引継ぎはどうなっているのか、よくわからんなと。

