国際税務を学びなおす63~外国子会社合算税制⑭~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は国際税務を学びなおす。外国子会社合算税制の対象外国関係会社の続き。
<参考>
事業持株会社
さて、事業基準を満たす例外3パターンの1つ、「事業持株会社」に入ります。
どんなものなのか、最初に整理しておきましょう。
- 株式等の保有を主たる事業とする外国関係会社で、
- その外国関係会社が他の法人の事業活動の総合的な管理及び調整を通じてその収益性の向上に資する業務を行っている、
- その、他の法人の株式等の保有を行う外国関係会社
と、3つに分解してみました。
そのうち、1番は良いでしょう。
問題は2番。
「統括業務」
大事な単語を2つご紹介します。
「他の法人の事業活動の総合的な管理及び調整を通じてその収益性の向上に資する業務」のことを、
「統括業務」と呼び、
その統括業務を行い、一定の条件を満たす外国関係会社のことを
「統括会社」と呼んでいます。
ここの考え方を理解しないと、先には進めないのです。
まず、「統括業務」から。
- 外国関係会社と、統括してもらう会社(被統括会社)との間の契約に基づき行う業務であること。
- 被統括会社の事業の方針の決定又は調整に係るもので、事業の遂行上欠くことのできないものであること。
- 2社以上の被統括会社に係る業務を一括して行うことにより、被統括会社の収益性の向上に資することとなると認められるものであること。
という、この3条件をすべて満たしていれば、統括業務となります。
で、さらっと出てきましたが、
被統括会社は2社以上ないとダメです。
被統括会社が1社しかない、と言う場合は、問答無用でアウトです。
1社しかないと、持株会社の意味が、ね。
なお、こちらもさらっと出てきた「被統括会社」ですが、もちろん何でもいいという訳ではなく。
- 統括会社が25%以上の株式を持っていること(被統括会社が内国法人の場合は50%以上)
- 被統括会社の本店所在地に、事業を行うために必要な役員・従業員がいること
を満たすことが必要です。
統括会社が行うのは、「管理・調整」ですからね。実務を担当する人間は被統括会社にいてくれないといけません。
「統括会社」
で、その「統括業務」を行う会社、「統括会社」について。
前提条件として、
一の日本の居住者等から100%の株式等を持たれていること
が必要です。
はい、100%、です。
気を付けましょう。
その上で、
本店所在地国に、統括業務に関する事務所などの固定施設があって、統括業務を行うために必要な役員や従業員がいること。
ここまでを満たせば、「統括会社」となります。
その上で、さらに条件を満たすと「事業持株会社」にレベルアップします。↓
- 統括会社のB/Sのうち、統括会社が保有する株式全体の簿価の金額のうち、被統括会社の株式の簿価の金額が50%を超えていること。
- 統括会社の持っている被統括会社の株式の簿価の金額のうち、外国法人である被統括会社の株式の簿価の金額が50%を超えていること。
- 統括会社の行う統括業務について、全ての被統括会社に対する統括業務に関する収入のうち、外国法人である被統括会社に対する統括業務に関する収入が50%を超えていること。
1番の条件をクリアしたうえで、2番と3番の条件のうち、どちらかを満たしていればOK。
ここまでやって、ようやく事業持株会社となり、事業基準をクリアすることとなるのです。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは歯医者に定期検診に。今回も、問題なしだそうです。
夕方から練馬のファミレスでクライアントと待ち合わせ。
申告作成に関する状況報告をしました。