「副業の赤字で税金還付」は危険信号。それは「事業」ですか?

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、「副業の赤字で税金還付」は危険信号。それは「事業」ですか?

副業で税金が安くなる話

会社員や公務員の方でこういう話を聞いたことがある、という人はいるでしょう。

どういう仕組みかと言うと、

「損益通算」

という制度を利用するんですね。

所得税は、個人の収入を10種類に分けてそれぞれの中で利益の計算をする仕組み。

例えば、お給料が黒字だとしたら、もし他に赤字の収入があればお給料の黒字と相殺できるんですね。

このお給料の黒字に対して、「副業」で赤字を出して相殺をして税金を還付してもらう。

こういうような情報発信を目にした事はありませんか?

・・・それ、危ないですよ〜

大前提:「事業」だから赤字と相殺できる

損益通算という言葉をさっき出しましたね。

若干複雑なルールではあるのですが、ひとまず今日のブログでは、

「事業収入の赤字はお給料と相殺できる」

と言うことを覚えてください。

「え?副業って事業じゃないんですか?」

はい、「副業」と言うからには、事業っぽく聞こえますよね。

でも、所得税の世界では、「雑所得」という区分の収入もありまして。

場合によっては、副業はこちらの区分に認定されてしまうこともあるのです。

事業収入になるのか、雑所得になるのか。

一応、基準のようなものもないわけではないですが、ここでは触れません。

国税庁のホームページなどでご確認いただければと思います。

基本的な考え方を、このブログでは押さえて欲しいなと思います。

さて、シンプルなお話をすると、

儲かってるかどうか、

というのは、事業収入なのか雑所得なのかを分類する重要な観点だと私は思っています。

「え?副業の赤字を給料と相殺して、税金が安くなるから申告を出してるんじゃないんですか?

儲かってるって税金が増えるじゃないですか?」

その通りですよ。

整理しましょう。

副業の赤字を相殺するためには、その副業が事業収入である必要があります。

雑所得だとされれば、赤字との相殺ができなくなりますからね。

赤字を垂れ流す「事業」?

では、「事業」ってなんだろうって話なんですよ。

個人事業主・フリーランスは日本にたくさんいますが、まずもってお金を稼ぐために事業をしているわけですよね。

もちろんこの私もそうですよ。

お金を稼いで、生きていくために個人事業をしているわけです。

当然、黒字を出すことが大前提ですよね。

毎年、赤字の申告を出している個人事業主って、生きていけませんよ。

必死に働いて黒字を出して税金を払って、残りのお金で生活をしていく。

これが事業収入の姿なんです。

赤字を出してる事業って、何なのでしょうか?

おおむね、副業のご申告で赤字になっているパターンは、

収入が規模が小さく、

経費として、自宅の家賃や水道光熱費・カフェの代金・スマホやインターネットの通信費があって、それで赤字になっていることが多い印象です。

私が思うんですけど、そもそも赤字を出している事業って、事業として成り立っていないということになるんですよね。

もちろん、いろんな事情があるのは承知してますよ。

私だって、開業初年度は大赤字をコキましたからね笑

でもそれは、一時的なものなんですよ。理由があってのものなんです。

開業したばかりとか、大きな得意先が事業を辞めてしまったとか、投資が先行して経費が大幅に増えたとか、

赤字になった理由というものがあるんですよね。

そういう理由もないのに、何年も連続して赤字を垂れ流し続けている副業・・・。

それは事業と言わないんです。

「趣味」と言うんです。

「趣味」の活動していて、たまたまお金が入ってくる。

実態はこれに近いんじゃないですか?

何より、赤字を出して税金の還付を狙う、なんていうことでは「負け癖」がつきますよ。

そんなマインドで、事業が成功するでしょうか?

還付金と引き換えに、事業主としての成功を捨ててはいけませんよ。

(副業だとしても、「事業主」ということでいいんですよね?)

国税も、この副業の赤字を利用した還付申告については厳しい目で見ていますよ。

どなたに情報を聞いたか分かりませんが笑

修正申告をして罰金を払うのは申告書を出した本人です。

3年分あるいは5年分の修正申告をまとめて納税することになると、相当な金銭的負担です。

悪い事は言いません。

思い当たる節があるなら、早めにご相談をいただければと思います。

【編集後記】

昨日は早朝から神奈川県逗子へ出張。

カフェでブログ更新。

ランチを済ませ、お客様のご自宅へ。

会計チェックと確定申告作成の打ち合わせ。

都心に戻る電車内で研修動画視聴。

帰宅後はお客様にメール。

ローカルAIの人格調整など。

【筆者紹介】

 

 

 

 

 

 

 

 

【国税OB】の税理士・村田龍矢        (Tatsuya Murata)。練馬区を拠点に、個人事業主や経営者に向け、難解な税金や実務の仕組みを分かりやすい言葉に「翻訳」して発信中。税務署側の視点と実務経験を活かした、安全で確実な税務サポートと、経営者の時間を奪わないスマートな非同期コミュニケーション(メール・チャット特化型)を得意とする。