「事実」を固めよ

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、事実関係について。

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税務調査で指摘を受けてしまったら

税務調査の際、調査官から色々と問題点を指摘されることがあります。

例えば、

「この売上は帳簿に載ってないんじゃないですか?」

「この支払いは経費にならないのではないんですか?」

など。

その時にどうやって反論するのか?

慌てる必要はないんです。

よほど、自分でわかりきったミスや、ましてや不正を行っていたならともかく。

自分自身で正しいと思って、そのような内容の決算と申告を作ったのですから、なぜそのような処理を行ったのかを説明すれば良い。

合理的な説明ができれば、調査官だって引き下がります。

そう、「合理的な説明」ができるかどうかにかかっているのです。

まずは事実関係を固めよ

その合理的な説明ってどうするのか?

法律的な難しい話は後に置いておきましょう。

まず、事実関係がどうなっているか、ということが大事です。

例えば、売上。

年度末までに事業用の銀行口座に入金があった。でも、それを売上にしていない。

調査官から、これはもう入金されているんだから、売上にするべきではないですかと指摘をされた。

こういうケースを考えてみましょう。

確かに、銀行口座に年度末までに入金があったのは間違いない。

では、その入金の中身は何なのか?

入金されるという事は、商品を販売したり、何かしらのサービスを提供をしたはず。でも、そればかりではないですね。

もしかすると、お金を借りたのかもしれませんよね?

なので、その入金ってどういう原因で振り込まれたものなのか。これを説明する必要がある。

ここで、もし例えば、借用書が出てきた場合。

これは売上の振り込みではなくて、借金ですと反論ができますね。

例えば、サービスの提供だった場合。

サービスを提供する前に、手付金を振り込んでもらうこともあるでしょう。

手付金というものは、会計処理上は、まだ売上にしなくても良いものです。もちろん、最終的には売上にはなりますが、少なくとも入金された時ではない。

であれば、これが手付金だということを説明できる書類だったり、データを示せばいいのです。

お客様との間の契約書でもいいですよね。そこに、サービス提供前に報酬の一部を手付金として振り込んでほしいということが、書き込んであればなお良いです。

ここまでは、難しい法律や会計の話は一切出てきませんでしたね。

あくまで、どういう事実関係があったのかという事しかお話をしていないんです。

この辺りが説明できれば、税務署への対応としては、実は十分だったりします。

お恥ずかしい話、この辺りは税理士としてはなかなか難しいところ。

会計業務や決算を作ってはいますが、やはり、事業主ご本人のビジネスへの理解度に比べれば、税理士のそれは劣ります。

自分の仕事を一番わかっているのは自分自身ですからね。

その上で、ではその事実関係が会計や税務にどのような影響与えるのかというところは、税理士にお任せいただきたいところです。

事実が先か法律が先か

事実関係に基づいて法律を適用するとも言えるし、

法律が適用されるように事実関係を固めていくともいえます。

どちらか後が先かというものはあまり関係ないように感じています。

純粋な事実関係、要するに、「真実」というものを探っていくわけでは無いのです。

いろんな証拠や証言などから確認できる事実を積み上げていくだけです。

ですから、場合によっては、真実とは異なる事実によって税金の計算が行われることもあるのです。

それが当事者が意図していた事態であればまだ良いのですが、当事者として真実により近い事実の認定が証拠などの不足によってできなかったということはできるだけ避けたいですよね。

だからこそ、どのように事実を確定していくのか、そのどのように事実を説明していくのかということは大事なのです。

ここが税務調査を左右すると言っても過言ではないと私は思います。

【編集後記】

昨日は朝から神田に出張し、クライアントのExcelチェック。ランチもご一緒に。

図書館に寄って帰宅。

夕方までブログの更新。

夜は「モンハンワイルズ」。