「わかりません」と聴けるか
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、わからないということ。
「そんなことも知らないの?」
というのは、禁句です。
若いころ、職場で言われたことがあります。
前職は職員教育にとても力を入れている職場でしたので、研修制度が充実しています。
特に、新人教育に対する熱は相当なもので、
高卒採用だと1年間、
大卒採用だと3か月、
税務の職場に出る前に施設に入れられてみっちり勉強します。
で、いざ現場に出ると、↑こういうことを言われるのです。
「研修でやってないの?」
「新人研修で何を勉強してきたんだ」
とかね。
あーいう研修は、総花的なものなのですから、実際に現場に出るとほとんど対応できないのです。
というか、現場に出てからの方が、本当の勉強です。
研修で学んだことだけでは、現場に出てもほとんど太刀打ちできないということは、ぜひ知っておいてもらいたいです。
(特に、今現在で絶賛研修中の新人税務職員の皆さんには)
これは、上司先輩も分かっておいたほうがいいでしょうね。
その一言を言われたせいで、二度と近寄らない。なんていう人間もいますのでね。
わかりませんと言っていい
私は税理士です。
税金について専門的な勉強をしてきていますので、世間一般よりは税金について詳しい。
そして、その税金について詳しいという点をもって、仕事をして報酬を得ているのです。
身も蓋もない言い方をすると、
税金についてよくわかりません、という方がいるおかげで、今日もおいしいご飯を食べていけるのです。
「税金についてわからないんです」
「数字が苦手なので、教えてほしい」
「会計がサッパリです」
どうぞどうぞ、という感じです。よく質問してくれましたね、と思います。
私のスキルや知識を提供する。クライアントも不安ごとや心配事から解放される。
そしてその結果、私はお金がもらえる。
「わかりません」
結構なことじゃありませんか。
これは組織人でも同じ。
わかりません→わかった!
になると、わかった人の知識・スキルが上昇します。
そうすると、個人個人の能力が底上げされるにとどまらず、組織全体のレベルも底上げされます。
そうやって、組織全体のレベルが上がれば、それは売上につながりますし、売上が増えれば自分たちの給料にも跳ね返る。
ついでに、実は自分のスキルや知識は、
外部に向けて発信すると、強化される
ものなのです。
自分の知識やスキルを発信するとき、相手に伝わるように自分の中から整理して引っ張り出す必要があります。
そうすると、自分自身では当たり前だったこと、できて当然のことが、目に見える形に変換されます。
これは自分にとってもありがたいことで、当たり前にできることは自分でもどうやってるのか詳しくはわからないものです。
それが自分の眼にも見える形となり、自分にもう一度取り込むことでさらなる改良もできるということ。
こう考えると、自分の知識やスキルをドンドンシェアする方が、結果的に自分のためにもなっているのです。
聴くときは堂々と
ということで、実はわからないことを聴くというのは、
聴かれる方にも利点があるのです。
ですから、わからないことがある場合は、遠慮せずに聴きましょう。
必要があれば、対価も支払いましょう。そこをケチっては良くないですね。
「わからない」ということは、悪いわけではないのです。
わからないという状態を解消しようと思って、知りたいとアクションを起こす。
この動きが尊いと思うわけです。
特に年齢を重ねると、これができなくなるんです。
だからこそ、わかりませんと素直に聴けることが素晴らしい。
逆に新人何て、質問して何ぼですからね。職場での席次が上がっていくと、聞きづらくなりますよ。
質問を受ける側としても、素直に質問をしてきてくれた人に対して、真摯に対応したいものですね。
わからないことを堂々と聴く。必要なら対価を払う。
聴かれた方も、ドンドンシェアする。
そして質問をしていた側も、いずれはシェアする側に回る。
そうやって、自分が持っている知識やスキルをお互いにシェアしあえるようになれば、
もう少し世の中良くなるんではないかという壮大な考えに行きついたところで、今日はお終いです。
【編集後記】
昨日は朝ゆっくり目の起床。
お昼前に品川で友人の税務相談。法人の立ち上げについて。ランチも一緒に。
帰宅しブログ更新。
夕食後は、同じ税理士である井ノ上陽一さんの個別コンサルティングをオンラインで受講。
税務ソフトの操作について、レクチャーをしてもらいました。