税務署と国税局調査部 法人の税務調査の違い
国税専門官に採用されて間もない頃は、一律に税務署で勤務しています。そして、税務署での勤務経験をある程度積むと、国税局へ異動することがあります。
かく言う私の場合は、税務署で数年ほど勤務をした後、国税局の調査部という部署に異動になりました。
税務署と国税局調査部の法人の税務調査の違いについてお話しします。
違い①:納税者の規模
まずもって、納税者の規模が違います。
法人の納税者の場合、基本的には税務署の法人担当で所管していますが、一定の基準を満たすと国税局の調査部に所管を移します。
調査部で所管する納税者の基準は、一般的には、
- 上場している法人
- 資本金が1億円以上の法人
となっています。
売上の金額についても、調査部で所管している法人さんは、売上の規模が数十、数百億円以上は普通。場合によっては、兆を超える場合も。
ちなみに、調査部に所管が移った場合でも、申告書や申請書の提出の窓口は「税務署」となります。国税局に持ってこられても、受け取ることはできません。まぁ、今時はe-Taxでの提出が主流なのでしょうが。
違い②:1件当たりの調査日数
法人の規模が大きいということは、調査をするにも時間がかかります。
一般的に1件当たりの調査日数は、
- 税務署→2日
- 調査部→1ヶ月
となります。調査部の調査は、税務署よりも長期間という傾向はあるでしょう。
もちろん、例外はありまして。
税務署で所管している法人だから、あるいは、調査部で所管している法人だから〇日で調査をする、という厳格なルールがあるわけではありません。
税務署の法人でも、規模がある程度大きい場合は1ヶ月にわたって調査を行うこともありますし、逆に、調査部の法人でも規模がある程度小さい法人の場合は、2週間程度で調査を終えるケースもあります。
こればかりは、ケースバイケース、という感じです。
違い③:調査担当者の人数
調査でやって来る調査官の人数も違うところ。
- 税務署→1人
- 調査部→2人
が基本形となります。
この基本形に、様々な事情で人数が追加されて増えていくことになります。
税務署の場合だと・・・
新人の調査官+指導担当としてベテラン調査官
調査官+各種専門官
とか。
調査担当者が基本的から増える場合には、増えるなりの事情があることが多いです。
このあたりの「事情」を推測してみると、今回の法人の税務調査が当局側がどのように位置づけているのかわかったりするので、おもしろいかもしれません。
【編集後記】
昨日は、朝一のブログ更新。午後からは読書しつつ、内容をノートにまとめる。
ホームページの改修作業に着手。コラム欄の創設と、内容の全般的な見直しなどするつもり。