国税局調査部の税務調査① 年間のスケジュール
先日は、税務署での法人税調査のスケジュールについて記事を書きました。
今日は、国税局調査部での税務調査について解説します。
＜参考＞
税務署と比べると絶対的な調査件数は少ない
税務署の法人税調査と比べると、調査部の税務調査の特色としては、
- 法人の規模が大きい
- 複数人の調査官が担当する
- 調査期間は、基本1カ月単位
というように、税務署のように一人あたり数十件税務調査をこなす・・・ということは不可能です。
つまり、絶対的な調査件数自体は、税務署の調査よりは少ないということ。
確定申告も関係ない
そこに加えて、
- 確定申告期間中でも、関係なく税務調査は行う
というものがあります。
税務署の場合は、税務調査に伺う際には基本的に顧問税理士が立ち会う関係上、税理士が繁忙期となる確定申告期間中は税務調査は控えていました。
ところが、調査部の場合は、対象となる法人さんが上場企業であることが多いので、
自社で決算・申告書作成
まで行っていることが普通にあります。
それに、税務調査に伺った際にも、顧問税理士が立ち会わないことも普通にあります。
ですので、確定申告期間中だろうと関係なく、税務調査は通常運転。
（とはいえ、組織全体で確定申告期間の対応をしている関係上、確定申告事務の「応援」ということで調査部の調査官が若干名、税務署に派遣されます。）
調査部の税務調査は年間通してやってます
ということになります。
そこをあえて区切るとすると、大きく分けて、
- 7月の異動期～12月
- 年明け1月～5月上旬
- 5月中旬～異動期
と3つの時期に分かれます。
おおむね、1ヶ月に1件ずつ税務調査に行くとして、12月までに5件、年明けからゴールデンウィークまでに4件程度かなと。これをベースに、2週間程度の税務調査も何件かやったりするので、年間通して10件強といったところでしょうか。
税務署と比べるとラクそうに見えるかもしれません。
しかしながら。
調査部の調査官は、税務調査だけをしているわけではなく。
- 自身の所属している部門で所管している法人さんから提出された申告書の内容チェック
- 更正の請求などの対応
- 税務調査終了後の報告書（決議書）作成
といった国税局内部での仕事を、税務調査と並行して行わなければなりません。
税務調査だけに集中することはNGですし、もちろん税務調査に行かずに国税局にこもりっぱなしもありえないのです。
私の感覚では、ハードな働き方になります。高度な事務処理能力と、スケジュール感覚がないと乗り切れません。
【編集後記】
これからは、調査部での仕事編の記事も少しずつ書いていければ。
税理士の方も、税務署の調査に立ち会うことはよくあっても、調査部の調査に立ち会う機会は、税務署よりも少ないはずですので。
参考にしていただければ幸いです。
さて、昨日は朝一のブログ更新。昼食前に、読書しつつノートを作成。
午後からは、事務所ホームページの改造。まずは、インタビュー動画のトップページへの掲載から。