ツッコミ力
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、「ツッコミ」について。
漫才師のように
大晦日らしく、お笑いの話でもし始めたのか、というとそういうことではなく。
仕事のはなし。
これは税務調査対応の現場で大事なことですが、
税理士の他のお仕事でも大事なことです。
これは税務署で税務調査の仕事をしているときに鍛えられたのですが、
「納税者が提出してきた資料、納税者がお話しした内容についてそのまま受け取らない。」
と指導されてきました。
これを、何だか漫才のツッコミのようだなと。
疑って見る、批判的に検討する、ということが必須なのです。
納税者の提出してきた資料をそのまま受け取って終わりなら調査になりませんので、
必ず納税者にツッコミを入れて深堀していく。
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よくある期ずれの検討。
売上についてだと、
期末と翌期首の請求書をそろえてもらって内容を見て、期末までに納品されている取引の分を売上にしていることを確認して終了。
ということではいけない。
「この請求書はどうやって作成しているのか?」というツッコミを入れてさらにお話を聴く必要があります。
そうすると、
「メールで取引先にデータを提出した分を拾って請求書を作っています」
「取引先に向けて配送業者に商品を渡した分を拾って請求書を作っています」
など、具体的なお話が聴けると思いますので、そこで
「取引先に送ったメールを見せてください」
「配送業者に渡した記録を見せてください」
とツッコミを入れる。
ここまでやって、ようやく取引の確認ができた、と言えるのです。
請求書と帳簿をチェックして売上が正しく計算されていますね、といってもそこは普通に合っているのが当たり前ですから、
それだけではチェックしたことになりません。
次に経費の場合。
期末近くに通販で購入した消耗品。
これも、通販サイトからの請求書だけを見てチェックしても仕方がありません。
「この消耗品はいつ届きましたか?」
というツッコミをしましょう。
こういうツッコミ一つで税務リスクは格段に減らせます。
ツッコミを入れて軌道修正を
税務調査というイベントでも、税理士の他の仕事でも、ツッコミを入れながら仕事を進めていくこと。
これは、お互いの認識のずれをすり合わせるときにも使います。
こういう資料をクライアントに出してほしい、というとき。
資料によっては、一発でほしい資料が出てこない、ということがあります。
請求書とか、領収書とか、クレジットカードの明細というように具体的なものであればいいのですが。
特に税務調査の際には、調査官からふわっとした資料提出の依頼があることが多い。
(私も現役の時はそういうような依頼をしていました)
例えば売上だと、
「売上が発生する日付を確認したいので、わかる資料を提出してください」
みたいな感じ。
こう言われると、クライアントも何を出せばいいの?と困りますし、的外れな資料を出してしまうこともあり得ます。
そこで、クライアントに対して売上はどうすれば発生するのか、というツッコミを入れて確認しつつ、
どんな資料を出せるのかを探っていく必要があります。
まぁ。この辺りは、本来は調査官が自らすべきことで、税理士がやるべきことかというと・・・。
とはいえ、クライアントと調査官の間のコミュニケーションに齟齬があるようでしたら、
そこは税理士が入って軌道修正をする必要がありますからね。
年末年始のお休みはテレビを見て、ツッコミ力を鍛えておきましょう。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは久しぶりのゲームと夕方からオンラインセミナーの動画視聴。