「Xmind」を使って税法を読み解く
税法を読み解いて調べていく作業は慣れるまで時間がかかります。
特に、複数の法律を渡り歩いてたどり着く必要がある場合は心が折れます。
国税職員時代はノートに手書き
国税職員の研修所では、法律を深く読み込む作業を行います。別に、その専門の授業があるわけではありません。
普段の講義で法律から通達まで頻繁に書籍の「税務六法」(!)と「通達集」をひもといて、授業で扱った条文をマーカーで線を引く、ということをしていました。教室まで持っていくときに重いのなんの。
(研修のテストで六法を使用するため、ということもありますが、テストの際は研修生同士で六法を交換しますので、線を引いていないと他の研修生に申し訳ないのです)
でも線を引くくらいではイマイチ条文の構成が頭に入らないので、しばらくするとノートに条文を手書きで書き写して「この部分はこの政令のここに対応する」というような資料を自分で作るようになっていました。
時間は非常にかかりますが、条文の構成を理解するには一番だと思っています。体力があるからできることでもありますが・・・。
(この方法で、特に国際税務関係の条文を読み込みました。CFC税制、移転価格税制、外国税額控除など。まともに条文を読むと頭痛がしますので)
インボイスの古物商の特例を例題に
ノートに手書き。今はやってません。
「Xmind」というマインドマップ作製ソフトで法律の関係性を分かりやすく視覚化して整理しています。
例えば、最近、インボイス不要でも仕入税額控除ができる取引について、その中の「古物商」についてその範囲がどこまでなのかを調べていました。
法律の構成はこんな感じです。
消費税法30条7項「請求書等の交付を受けることが困難な場合」のルール
→消費税法施行令49条1項「古物商が他の者から買い受けた古物」はインボイス不要
→消費税法施行規則15の3「古物に準ずるもの」も範囲に含む
→消費税法基本通達11-6-3「古物に準ずるものの例示」が書いてある
→インボイスのQ&Aの110番で実務的な話
とまぁ、必要であればここまでたどってたどって読み解いていく必要がある、と。
条文自体はネットで調べて整理していますが、条文同士の関係性を明確にしておかないと途中で何がなんやら。施行規則のあたりで限界かなぁ。
(これでも、ネットで条文検索が出来るのでまだましです。昔は紙の六法をめくって、だったんでしょうし)
Xmindで作るとこんな感じになる
マインドマップの種類を選べますが、そのうちの「ツリー」というものを使って、このように整理しました。
通達に大事なことが書いてあるな~と思いつつ、ここまでをたどるには手書きでは大変。
通達まで読んでいくと、金銀、ゴルフ会員権を事業で個人(インボイスを発行しない事業者)から仕入れるときは、古物商登録をして古物商として取引すれば、インボイスをもらえなくても仕入税額控除できるようになると。そういうことですかね。
(仕入れる商品の範囲について、通達で定める是非はともかく)
【編集後記】
もちろん、最初にネットである程度粗く調べてあたりを付けて、通達まで読んでいます。
そのあたりをせずにいきなり条文はさすがにしんどいので。
今日の記事はマニアックになってしまったな。
さて、昨日は朝一のブログ更新と事務所ホームページのコラム掲載。
午後からはちょっとだけ調べ物をして、夕方から会食。
以前、旅行に行った際にお世話になった方が東京にお仕事でいらっしゃるということで、お声がけいただきました。
久しぶりの外食とお酒。