特定の事業用資産を買換えた場合の特例

今日の譲渡所得の特例は、「特定の」「事業で使っている資産」を買換えた場合のお話です。


これまでの「譲渡所得の特例」の記事。


特定の事業用資産を買換えた場合の特例:概要(措法37)

①個人が2026年年末までに、②所有している資産で一定のものを、③売却し、④売却した年の年末までに一定の資産を買換え、⑤その買換えた資産を購入の日から1年以内に事業に使った場合の特例。

〇印がいっぱいできてしまいました。

ポイントは、売却する資産と購入する資産にかなり強い限定がかけられているということ。何でもいいというわけではありません。

詳細

<売却する資産>

前提:棚卸資産は対象外です。

そして、事業で使っている資産であることが必要です。

  1. 航空機騒音障害区域にある土地等、建物、構築物で一定のもの
  2. 既成市街地等にある土地等、建物、構築物で一定のもの
  3. 国内にある土地等、建物、構築物で、所有期間が10年を超えるもの
  4. 船舶のうち一定のもの

<資産の売却の範囲>

収用、交換処分等、換地処分等、贈与、交換、出資、代物弁済によるものは対象外です。

<資産の購入の範囲>

贈与、交換、現物分配、所有権移転外リース取引、代物弁済によるものは対象外です。

<買換える資産>

  1. 航空機騒音障害区域にある土地等、建物、構築物、機械及び装置で一定のもの
  2. 既成市街地等にある土地等、建物、構築物、機械及び装置で一定のもの
  3. 国内にある土地等、建物、構築物で一定のもの
  4. 船舶のうち一定のもの

<買換える資産の購入期限>

原則:資産を売却した年の年末まで。

例外1:売却した年の前年に、買換える資産を購入し、かつ、購入の日から1年以内に決められた地域内で事業に使った場合はOK。(要は買換える資産を売却前に買った場合の話)

例外2:売却した年の翌年中に買換える資産を購入する見込みであり、かつ、購入の日から1年以内に決められた地域内で事業に使う見込み場合はOK。(買換える資産の購入が翌年にずれ込んだ場合の話)

<土地等を買い替えた場合の面積の上限>

売却した土地等の面積の5倍を超える土地等に買い換えた場合、5倍を超える部分の面積は、買い換えた資産にならない。

特定の事業用資産を買換えた場合の特例の効果

売却収入を超えて買換え資産を購入した場合→売却益の80%を超える部分に課税。

売却収入内で買換え資産を購入した場合→売却益の80%を超える部分の一部に課税。

※買換えではなく、「交換」した場合は、時価で資産を売却したことにし、交換で入手した資産を買換えで入手したとして税金の計算を行う。(措法37の4)

【編集後記】

昨日は毎日のブログ更新。

午後からは自分の確定申告。消費税に苦戦。国税庁の消費税作成コーナー、クセ強くないか・・・?気のせい?