特定の土地等を長期間保有した場合の特別控除
今日の譲渡所得の特例は、特定の土地等を長期間保有した後に売却した場合の特例です。
条件を満たした場合は、売却して出た利益から一定の金額を差し引くことができます。
これまでの「譲渡所得の特例」の記事。
- 譲渡所得の課税の特例
- 優良住宅地の造成地等譲渡
- 居住用財産を売却した場合
- 収用などで資産がとられた場合
- 収用に派生する譲渡所得の特例(3種)
- 特定事業によって土地等が買収されたときの特例
- 居住用財産を売却した場合の特別控除
- 空き家を売却した場合の特例
特定期間に取得した土地等を売却した場合の特別控除(措法35の2)
①2009年~2010年に入手した国内の土地等で、②その年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるものを馬脚した場合、売却益から1000万円を差し引くことができる。
- 入手した土地等について
次の場合は、この特例は使えません。
配偶者その他の親族などから入手した場合。
相続、遺贈、贈与及び交換などで入手した場合。
- 「売却」の範囲
交換(所法58)、収用交換等(措法33の4)、措法34、措法34の2、措法34の3、居住用財産の売却(措法35)にあたらないこと。
- 他の特例とバッティングする場合
売却した年に、措法33、措法33の2、措法33の3、措法36の2、措法36の5、措法37、措法37の4、措法37の8の適用を受けると、この特例は使えません。
低未利用土地を売却した場合の特別控除(措法35の3)
①都市計画区域内にある低未利用土地で、②その年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるものを一定期間内に売却した場合、売却益から100万円を差し引く。
- 「売却」について
次の場合は、この特例は使えません。
配偶者その他の親族などに対して売却した場合。
売却の値段が500万円を超える場合。(一定の地域内の場合は800万円を超える場合)
前年、前々年にその土地と一体であった土地から分筆された土地が売却され、この特例を受けている場合は、今回の売却にはこの特例を使えません。
交換(所法58)、収用交換等(措法33の4)、措法34、措法34の2、措法34の3、居住用財産の売却(措法35)、措法35の2にあたらないこと。
また、売却の後に、その低未利用土地等の利用がされる必要があります。
- 他の特例とバッティングする場合
売却した年に、措法33、措法33の2、措法33の3、措法36の2、措法36の5、措法37、措法37の4、措法37の8の適用を受けると、この特例は使えません。
特別控除額の最大限度
- 収用交換等の場合の譲渡所得の特別控除(措法33の4)
- 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除(措法34)
- 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除(措法34の2)
- 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除(措法34の3)
- 居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35)
- 特定期間に取得をした土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除(措法35の2)
- 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除(措法35の3)
上記の特例について、年間の控除額は合計5000万円が限度です。
控除の順番は措通36-1。
【編集後記】
昨日まで実家に帰省中。午前中に元職が同じである税理士の方の事務所に訪問し、いろいろとお話。
午後から新幹線に乗り、東京に戻る。