「適正な対価」って何だろね?
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、適正な対価について。
払う側として
要するに値付けの話で。
私たちの生きている社会は「自由主義経済」ですので、取引する際の値段は当事者で自由に決めてもいいことになっています。
ですから、イチ消費者として見たときに、
これはお買い得だ
と思ってもいいし、
これはぼったくりだ
と思ってもいい。
その商品やサービスを実際に対価を支払って購入するのかどうかは、自分で決めてもいいのです。
これは個々人の価値観が色濃く反映します。
自分にとって価値のあるものであれば、多少割高でもお金は支払います。
それが他人から見て、よくわからないものであっても関係ないですね。
本人からすれば価値があるのです。
本人から見て感じ取った価値に見合う対価だから、取引が成立して対価を支払うのです。
非常に主観的な問題です。
受け取る側として
対価を受け取る側として。
どうやって対価の設定をしているのか。
これは色んな考え方があって、
その商品やサービスを提供するためのコストを計算して、そこに利益を載せて対価を設定する
という方もいれば、
同業他社を調べて対価を決める参考にする
こともある。
このあたり、自分の商品の適正な対価なんて、誰も教えてくれないので自分で考えて決める必要があります。
公務員上がりの私にとって、この対価の設定が難題でしたね。
自分のサービスに自分で値段をつけるなんて、初めてでしたし。
特に税理士という仕事。
商品やサービス提供のための「コスト」なんて、ほとんどありません。
事務所の家賃とか通信費とか、書籍代や旅費くらい。
諸経費くらいしかないので、先に書いた「コストを計算してそこから対価を決める」ということはそもそも向いてない。
また、同業他社の検討も、それこを千差万別で、あまり参考にはなりません。
それこそ、開業したばかりだから安く?とか。その設定に意味があるのかどうか。
事務所の歴史も違うし規模も違う。対象としているクライアントの層もいろいろ・・・。
困ったなと思っていたとき、対価設定について一つの考え方を知りました。
「自分が依頼を受けてポジティブになれる値段を付ければいい」
というもの。
ストンと腑に落ちましたね。
自分が仕事を受けるにあたって、気持ちよくサービスを提供できる値段で設定をする。
事業者としての自分の価値観を反映できる気がして、気持ちがラクになりました。
身を削って、クライアントのためを思って安くサービスを提供しても、提供する自分がなんかモヤモヤした思いを抱えて仕事をしているなんて、かえってクライアントにも申し訳ないです。
クライアントには、自分も気持ちよく全力でサービスを提供したいですしね。
自由経済の宿痾
自由経済とはそういうことで、
法に触れない限りは自分でビジネス上の行動を判断する必要がある
ということ。
対価の設定がモロにこの判断を迫られます。
消費者としては値段がそこそこで、少しでも品質の良いものを。
事業者としては安売りしたくない、とはいえお客さんに商品を買ってほしい。
というお互いの思惑がちょうどいいポイントで交じった価格で取引が成立する。
そしてこういうことを意識すると、やはり安い方安い方へとポイントが移動してしまいがち。
そこを、
自分が仕事を受けるにあたって、気持ちよくサービスを提供できる値段
という考え方で値段を設定することで、ポイントは高い方高い方へと移動するかもしれませんが、
結果的に事業者としても十分に報酬をいただいているので気持ちよく仕事ができますし、
消費者としても、事業者がポジティブな気持ちで質のいいサービスを提供してくれるならそれにこしたことはない、と。
・・・理想論でしょうかね。
それでも、対価の設定一つでポジティブな気持ちで仕事ができるなら、やってみる価値はあるのかなと考えています。
【編集後記】
昨日は朝から市ヶ谷で会合に参加。
昼食を買い物を済ませて帰宅。
夕方にかけてブログ更新とクライアントと電話で打ち合わせ。