若手調査官が国税局調査部で身に着けておきたいこと②
昨日から、「若手調査官が国税局調査部で身に着けておきたいこと」と題しまして記事を書いています。
<参考>
今日は、仕事に対するスタンスについて。
調査の「担当者」は誰なのか?
調査部の調査は、一般的に二人一組で行います。(一部、税務署でも。)
「主査」と呼ばれるベテランの職員と「調査官」。役職上は、「主査」が上になります。
そうすると、ついつい主査が調査のメインで調査官が脇役なのかなと思いがちです。こういうマインドでいると、調査が進展していくうちにギャップを感じることになります。
調査中、会社の方からヒアリングをしたり、会社の資料を確認していると段々深堀して調査をする必要がある項目が絞られてきます。
その要調査項目を、項目ごとに主査と調査官で分担して調査を進めていくことになるのです。
若手調査官の悩み~誰も仕事の指示を出してくれません~
そのため、
「調査官である自分は主査の言うことを聞いて調査をしておけばいいのだろう」
と思っていると、主査からは
「○○調査官は、工事原価と研究開発費について検討して」
とだけ言われて、固まってしまうのです。(まぁ、ここまで一方的なことはないにしても、調査項目の割り振りは行います。)
- 調査の現場で指示を出してくれない
というのは、若手調査官の悩みの類でもそれなりの割合を占めるのではないでしょうか。
調査部で仕事をするうえで気を付けたいのは、調査担当メンバーひとりひとりがメインの担当者であるということ。「調査官は、みんながひとり親方だ」とおっしゃる先輩もいました。
主査の下請けをやりながら仕事を覚えていけばいい、とか、若手だしよくわからないから控えめにして出しゃばらないでいよう、という考えではつまずきます。
私自身、最初はこのような考え方で、指示を待って調査を進めようと思っていましたが、考え方のギャップを埋めるのにしんどい思いもしました。
ではどうすればいいの?
「マインドを変えましょう」で終わってしまっても、困ってしまうと思います。
ポイントは、
「指示を仰ぐ」のではなく、「相談する」というスタンスを取る
ということ。
「私はここからどうすればいいのでしょうか?」
と聞くのではなく、例えば、
「工事原価について、こういう間違いがあると考えられるので、こういう方向で検討しようと思っているがどうでしょうか?」
と相談するのです。
こういうことを発言するのは、最初は難しいと思いますし、変なことを言ってしまうのではないかと怖気付くかもしれません。
でも、部下の調査官から仕事の方向性を相談されれば、普通の主査であればアドバイスをくれるはずです。
このように相談されたにもかかわらず、「知らん。自分で考えろ」と言うような主査はさすがにいないと思いたいところ。
・・・とりあえず、ブログで書けるのはこのあたりまで。後は個別の話になるでしょうし。
【編集後記】
私自身がこのようなやり方を全面的に肯定しているかというとそうではありません。
調査官の立場として、これくらいのマインドを持っていたほうが仕事はしやすいですよ、というくらいです。
主査の立場で、下の調査官の面倒を見ずに放っておくというのはありえないことだと個人的には思っていますので悪しからず。
さて、昨日は朝一のブログ更新。午後からはオンライン研修を受講しインプットを少しずつ。