年末のたな卸作業はどうしてやるのか
・売上原価の計算に必須だから→税金の計算にかかわる
個人事業のうち、小売業や卸売業、建設業を営んでおられる方は、年末に棚卸し作業や仕掛中の工事の計算を行っていると思います。
なぜ、こんな作業を行うのか。
先日、事業に使う経費について記事を書きました。→事業に使う経費の考え方
その中で、経費になるものとして、「売上原価」というものを紹介しています。この売上原価、「=その年内に購入した仕入れ」ではないことに注意。
ん?年内に購入して年内に手元に届いていれば費用になるのでは?
半分正解です。仕入れに関しては、「年内に購入して年内に手元に届いている」に加え、「年内にお客様に販売したモノ」であることが必要。(「費用収益対応の原則」と言います)
つまり、仕入れたのはいいけど、売れない限りいつまでたっても費用にならないということです。
逆に言えば、当然、売れたものは経費になるということ。つまり、「仕入れた商品のうちどれが売れたのかを計算して売上原価を確定する」作業がたな卸しの作業ということ。
売上原価の計算式→1月1日時点のたな卸資産+年内の仕入金額-12月31日のたな卸資産
です。
大晦日で売れ残った商品以外は、お正月からあったものだろうが年内に仕入れたものだろうが、当然、売れたはず。大晦日で売れ残った商品を確認することはイコール年内に売れた商品を計算することでもあります。これは裏表。
売れた商品についてイチイチ経費に落とさなくても(それはさすがに面倒くさい)、この計算式で売上原価の年間の計算はできるということです。
自分の仕事の成績を数字で見るため(こっちが大事)
長々書きました。個人的に、こちらの方が大事だと思っています。
決算書を作るとき、売上から売上原価を差し引いて、「売上総利益」を算出します。この売上総利益、「粗利」などと言っておりますが、ビジネスの成績そのものになっています。仕入れた商品に利益を乗っけて販売することが多いと思いますが、ここが赤字ということはビジネスとしてはマズイということ。儲かっていないということです。
では、問題が商品自体にあるのか、値付けにあるのか、それとも別にあるのか。それは、数字を見て判断する必要があります。
売上の数字だけではわからない。売り上げた商品と売れ残った商品の数字もそれぞれ見る。
そしてその数字を出すために必要な作業が、たな卸し作業ということになります。
たな卸資産の値段をどうつけるか
今回の記事では、たな卸の考え方についてお話ししました。
では、売れ残った商品について、「どうやって値段をつけるのか」が次の話題。
また別途、お話ししたいと思います。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。そして、午後から表参道で打ち合わせ。
新宿でご飯を食べ、買い物。久しぶりのとんかつ。味、食感、身体にしみる。
夜帰宅し、そのまま就寝。