仕事で使っていた機械や設備を修理したら、経費にならない場合がある?
お仕事で使っている機械や設備が調子が悪いので、修理したとします。この場合、「修繕費」とか何かで経費にすると思いますが、経費にならないこともあるかも、というお話です。
「資本的支出」という考え方(所令181)
修理、改良その他支払いの名目に関係なく、
①その支払いで、通常の管理や修理をするとしたときに予測されるよりも、その資産の使用可能期間を延長させる場合の、その延長した部分。
②その支払いで、通常の管理や修理をするとしたときに予測されるよりも、その資産の価額を増加させる場合の、その増加した部分。
この「部分」は経費になりません。
このような、使用可能期間を延長させたり、資産の価額を増加させるような支払いを、「資本的支出」といいます。
では、どう判断するのか
が、大事ですよね。国税庁では、こんな風に考えているようです↓
- 固定資産の価値を高め、または耐久性を増すことになる部分に対応する金額が資本的支出となる。(所基通37-10)
その上で、例えばこういうものは原則的に資本的支出になる。
- 建物の避難階段の取り付けなど、物理的に何かを付けた場合。
- 用途を変更するための模様替えなどに支払った金額。
- 機械の部品などを品質や性能の高いものに取り替えた場合の、通常の取替えに必要な支払いを超えた部分。
- 仕事で使っている固定資産の通常の維持管理のために支払ったものが修繕費となる(=経費になる)。(所基通37-11)
上の●に書いた内容が、「国税庁の基本的な考え方」となります。
ただ、どっちになるか明らかにならないな、という支払いがあった場合、これも考え方があります。
- 支払った金額が60万円未満の場合
- 対象の固定資産の購入金額のおおむね10%相当額以下の場合
どちらかにあてはまれば、修繕費として計算していいそうです。(所基通37-13)
「資本的支出」になったら、税金の計算にどう影響するの?
Answer:減価償却をします。
この場合、考え方が大きく分けると2パターンあります。
- 資本的支出をした固定資産と同じモノを新しく手に入れたとして減価償却を行う方法。→原則的なやり方
- 資本的支出をした固定資産が、平成19年3月31日以前に手に入れたものだった場合。その購入金額に資本的支出の金額を足し算して一体として減価償却を行う方法もある。→こっちでやってもいいやり方
【編集後記】
昨日は毎日のブログ更新。
午後からはお客様のご自宅訪問。
夜は本の整理をして早めに就寝。