収用などで資産がとられた場合(譲渡所得の特例)
譲渡所得の特例3つめ。今日は、「収用などに伴い代替資産を取得した場合の課税の特例」。
これまでの「譲渡所得の特例」の記事。
「収用などで資産がとられた場合の特例」概要(措法33)
①個人が所有するたな卸資産以外の資産などが、
②収用などされ、それに対して補償金・対価・清算金を入手した場合、
③その補償金・対価・清算金などで収用などで売却した資産と同種の資産を代わりに入手したときの特例。
→その資産の売却がなかったことになる。(=利益が出ても課税されなくなる)
詳細
<対象にならない資産>
- たな卸資産
- 事業所得の基になっている山林
- 雑所得の基になっている土地、土地の上に存する権利
<収用の例>
- 土地収用法などで収用され、補償金をもらった
- 資産について買取の申出を拒むときは土地収用法等により収容される場合に、買取の申出をして対価をもらったとき
- 土地などについて、土地区画整理法などによる事業が実施され、清算金や補償金、対価をもらった
- 国や地方公共団体、都市再生機構などが賃貸や売却する目的で行う50戸以上の一団地の住宅経営事業のために土地などが買い取られ、対価をもらった
- 国や地方公共団体が、建築基準法や漁業法などに基づいて行う処分で、資産の買取り・消滅・買収により補償金や対価をもらったとき
理解しやすそうなものを並べてみました。本当は、これ以外にもあるんですが、特例を使える場合はかなり細かく厳密に決まっているようです。
<補償金なら何でもいいのか>(措法33⑤)
資産の収用等の対価であることが前提。移転料や、収用等の対価以外の金額は含まれない。
そのため・・・
事業について減少することになる収益や損失を埋めるための補償金
休廃業に伴う経費を補填するための補償金
資産の移転に必要な経費を補填するための補償金
こういったものは、対象外です。
<代わりの資産はいつまでに入手するのか>
原則は、収用などがあった年の12月31日までです。ただし、代わりの資産を、収用などがあった年の2年後の12月31日までに入手する見込みであれば、この特例を使うことはできます。
特例の効果
もらった補償金の全部で代わりの資産を購入した場合
→元の資産の売却がなかったことになり、譲渡所得に課税がされません。
もらった補償金の一部で代わりの資産を入手した場合
→収用等で売却された資産のうち、もらった補償金から代わりの資産の購入金額を差し引いた残額に対応する部分だけ、売却があったとされ、その部分だけ譲渡所得の課税がなされることになります。
【編集後記】
昨日は毎日のブログ更新。
午後からは家電量販店にお出かけ。すごい人混み。