国税OBの独立。「修行」という罠と、足りないものを探す病
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、国税OBの独立。「修行」という罠と、足りないものを探す病、というお話。
国税OBは、税理士の「日常」を知らない
国税職員から税理士として独立するにあたって、実は大きな壁がありました。
それは、「そもそも税理士が普段、何をやっているのかを知らない」ということです。
国税職員が税理士と接触するのは、基本的に「税務調査」の場であることが多い。
言ってみれば、非日常の「戦場」での姿しか見ていません。
そのため、独立していざ自分の事務所を構えようとした時、
税理士の年間スケジュールはどう動いているのか、
会計ソフトや税務ソフトはどう使うのか、
そして何より、日常的にお客さまとどのようなやり取りをしているのか、
具体的なイメージが全く湧かないという事態に陥りました。
税務調査の現場では、会計ソフトを操作することなんてしませんし、納税者から仕訳データをエクスポートしてもらえば済んでしまう。
申告ソフトなんてもっとそうで、自主申告である我が国において、申告書は納税者が作成するもの。
だからこそ、決算申告を作る側に回って大いに困惑しました。
手書きで申告書を作った方が速いと頭を抱えながら。
実務を知るための「修行」はアリ
国税職員の時は知る由もなかった実務のブラックボックス。
それを解消するために、独立前に他の税理士事務所へ入り、一定期間「修行」をするというのは、有効な選択肢の一つです。
先輩税理士の元で、一通りの業務フローやソフトの使い方、お客さまへの対応方法を肌で学ぶことができます。
右も左も分からないまま飛び込むより、まずは安全な環境で学ぶことは、決して遠回りではありません。
しかし、この「修行」には恐ろしい罠が潜んでいます。
それは、修行先の環境に慣れきってしまい、いつの間にか「独立しない理由」を探し始めてしまうことです。
「まだ独立してやっていくには準備が足りない」
「もっと実務の経験が必要だ」
「資金が足りない」
真面目な人ほど、修行をすればするほど自分の未熟さに気づき、こうしてブレーキをかけてしまいます。
せっかく独立開業を決意して公務員という立場を投げ打ったにも関わらず。
しかし、厳しい言い方をすれば、足りない部分に着目すれば、そんなものいくらでも出てくるのです。
あるいは、資金面の不安なのか。
修行中とはいえ「仕事」はあるわけで、目の前の仕事をこなせば報酬も入ってくる。
修行期間を抜け出すという事は、その目の前の仕事も失ってしまうという事・・・。
でも、すべての準備が整い、経験も資金も完璧に揃う日など、一生やってきません。
修行はあくまで「独立するための準備期間」にすぎないということを忘れてはいけません。
その環境に甘んじて「足りないもの探し」のループに陥らないこと。
自分の中に燃える独立への熱意を忘れず、不格好でも「行動」というエンターキーを叩く覚悟を持つことが、何よりも大切なのです。
残念ながら、熱意は冷めるもの。
冷めた熱意は、簡単には上がらないのです。
もちろん、修行期間自体を否定はしません。
ただ、修行イコール罠、という面もあるということを知っていただきたいのです。
どうか、これから新しい道へ進みだす皆さんには、はまり込むことのないようにしてほしいなと思います。
【編集後記】
昨日は午前中はブログ更新と自重トレーニング。
午後からは書類作成と研修動画の視聴。
Pythonの研究とテスト。


