消費税を学びなおす46~中間申告~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は消費税を学びなおす。中間申告。
<前回>
消費税にも中間申告はある
所得税であれば「予定納税」、法人税は同じ「中間申告」と呼ばれています。
どちらも、今年の税金を前払いするという意味で同じ。
そして、消費税にも「中間申告」という制度はあります。
ただ、消費税の場合は、申告方法が2パターンあります。
※課税期間を短縮している事業者の方は、中間申告の対象外です。
去年の消費税額で申告金額が決まる方式
消費税申告書の「⑨差引税額」の数字を使って、今年の中間申告の金額を計算する方法。
⑨の数字が一定の金額を超えると、申告する必要があります。
これが、3パターン。
しかも、それぞれで申告回数が違う、というから大変です。
- ⑨の数字が4800万円を超えるケース
中間申告の回数は、一年間で11回に及びます。そうです。毎月申告することになります。
一回当たりの申告金額は、「去年の消費税申告書の⑨の数字÷12」。
去年の消費税額を12分割して毎月前払いするイメージです。
そして、中間申告の期限は、毎月末の2カ月後。
でも、毎月申告、となりますと、年度の確定申告の期限と思いっきり被ることになります。
ですので、
法人の場合→1回目は2回目の申告期限と同じ。(一月ずらす)
個人の場合→1月~3月分の申告期限は、5月31日。
となります。
- ⑨の数字が400万円を超え、4800万円以下のケース
中間申告の回数は、一年間で3回。四半期ごとに区切って申告することになります。
一回当たりの申告金額は、「去年の消費税申告書の⑨の数字÷12×3」。
去年の消費税額を4分割して前払いするイメージです。
中間申告の期限は、一年を四半期ごとに区切った期間の2カ月後。
- ⑨の数字が48万円を超え、400万円以下のケース
中間申告の回数は、一年間で1回。半年ごとに区切って申告することになります。
一回当たりの申告金額は、「去年の消費税申告書の⑨の数字÷12×6」。
去年の消費税額を半分にして前払いするイメージです。
中間申告の期限は、一年を半年に区切った期間の2カ月後。
- ⑨の数字が48万円以下のケース
中間申告の対象外。
中間申告の期間ごとに「仮決算」を行って申告する方式
去年の数字を拾って自動的に決めるのではなく、
わざわざ仮決算を作って消費税の中間申告を行う
という方法もあります。
去年と比べて売上が下がった、などという場合、去年の消費税額で中間申告をしていると資金的に苦しいです。
こういうときに、仮決算という今年の数字を使って消費税の中間申告ができれば、安くなる可能性はあります。
方法としては、
中間申告の対象期間で消費税の申告計算を行う
というもの。
ただ、簡易課税を適用している事業者さんは、この中間申告でも簡易課税で申告する必要があります。
あと、仮決算で計算したら消費税が還付になった!という場合。
中間申告で還付を受けることはできませんので、ぬか喜びをしないようにしましょう。
【編集後記】
「学びなおす」シリーズ。消費税編は、今日でおしまいです。全46回、お付き合いいただき、ありがとうございました。
さて、昨日は朝一のブログ更新。
その後、新幹線で長距離移動。無事に動いてよかった。