消費税を学びなおす37~課税売上割合が大きく動いた場合~

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は消費税を学びなおす。課税売上割合の増えたり減ったりした場合。


<前回>


課税売上割合が毎年変わったら・・・

消費税の計算で、「課税売上割合」というものは重要です。

この割合が動くことで、消費税の納税額が大きく変わることも・・・。

<参考>

消費税を学びなおす23~仕入・経費にかかる消費税の計算~

値段の高い固定資産なんかを買ってしまうと、買った年の課税売上割合で消費税の納税額が増えたり減ったりしてしまいます。

しかも、固定資産は買った後も数年単位で事業に使うもの。

買った年の課税売上割合によって事業者の負担が大きく違うのは問題、ということで、

課税売上割合が大きく動いた場合に、

消費税の計算で配慮がなされているのです。

課税売上割合が「著しく増加」した場合

対象となる条件は全部で4つです。

まず最初に、調整対象固定資産を買ったこと。「それ何?」という方へ→消費税を学びなおす20~値段が高い資産を買ったとき~

そして、2つ計算をします。

(調整対象固定資産を買った課税期間から三年目の課税期間までの通算した課税売上割合-調整対象固定資産を買った課税期間の課税売上割合)÷調整対象固定資産を買った課税期間の課税売上割合=50%以上であること

調整対象固定資産を買った課税期間から三年目の課税期間までの通算した課税売上割合-調整対象固定資産を買った課税期間の課税売上割合=5%以上であること

この2つの計算結果を満たしたとき、課税売上割合が「著しく増加」したと、言えることになります。

さらに、調整対象固定資産について、

個別対応方式のうち、課税売上と非課税売上に共通する課税仕入れの区分にした

一括比例配分方式で計算した

どちらかであることが必要です。(仕入税額が全額控除された場合も含んでいます。)

最後に。

買った調整対象固定資産を、三年目の課税期間の最後まで、保有していること。

途中で捨てたり、売ったりした場合はこの制度は使えません。

この4つの条件を満たした場合、

調整対象固定資産を買った課税期間から三年目の課税期間までの通算した課税売上割合で計算した仕入税額と、

当初、調整対象固定資産を買った時に計算した仕入税額の

差額を、三年目の課税期間の仕入税額に加えることになるのです。

課税売上割合が「著しく減少」した場合

「著しく増加」した場合と、単純に逆のケース。

条件のうち、計算方法が変わるだけです。↓

(調整対象固定資産を買った課税期間の課税売上割合-調整対象固定資産を買った課税期間から三年目の課税期間までの通算した課税売上割合)÷調整対象固定資産を買った課税期間の課税売上割合=50%以上であること

調整対象固定資産を買った課税期間の課税売上割合-調整対象固定資産を買った課税期間から三年目の課税期間までの通算した課税売上割合=5%以上であること

条件を満たした場合に、課税売上割合が「著しく減少」したということになります。

調整対象固定資産を買った課税期間から三年目の課税期間までの通算した課税売上割合で計算した仕入税額と、

当初、調整対象固定資産を買った時に計算した仕入税額の

差額を、三年目の課税期間の仕入税額から差し引くことになるのです。

もし、引ききれなかった場合は・・・?

この場合は、課税標準額に対する消費税に加算されてしまうのです。(要は、納税が増えるということです。)

【編集後記】

昨日は朝一のブログ更新。

それと午前中に掃除を。

午後からは出張の記録をまとめ、近所の図書館へお出かけ。