消費税を学びなおす36~固定資産の使い方を変えた場合~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は消費税を学びなおす。固定資産と消費税について。
<前回>
固定資産と消費税
どのような関係があるのでしょうか?
基本的には、固定資産(建物とか、自動車とか)を入手した時点で、消費税については計算しておしまいです。
法人税や所得税の場合は、「減価償却」という手続きが必要で、決まった年数で少しずつ経費にしていくのですが、消費税の世界では関係ありません。
ただし。
「調整対象固定資産」の場合に例外的なルールが用意されています。
なお、調整対象固定資産とは↓
税抜価額で100万円以上の固定資産
のことです。
(棚卸資産や消費税がかかっていない土地などは除かれます。)
この調整対象固定資産について、使い方を変えてしまうと、消費税の計算で調整を行う必要が出てくるのです。
課税業務用→非課税業務用へ変更
消費税の計算過程に出てくる、
「個別対応方式」
のお話がかかわってきます。
(参考:消費税を学びなおす23~仕入・経費にかかる消費税の計算~をご参照ください。)
個別対応方式の計算のとき、
消費税が課税される売上に対応する
という区分にした調整対象固定資産について、使っているうちに使い方を変えて、消費税が課税されない売上のために使うようになった場合です。
これ、何も調整しなくてもいいのでしょうか・・・?
消費税の計算を考えると、消費税が課税される売上に対応するとして計算した方が、消費税の計算は少なくなります。
本当はそうではないのに、とりあえず消費税が課税される売上に対応するものと一旦計算しておいて、すぐに使い方を変えてしまった・・・。
ということもあり得ますので、消費税の世界では次のようなルールが決まっているのです。
消費税が課税される売上のために使用する調整対象固定資産を入手してから3年以内に、消費税が課税されない売上のために使うようになった場合は、仕入・経費にかかる消費税から調整対象固定資産にかかった消費税の金額をマイナスするということになっています。
なお、マイナスする消費税の金額も、調整対象固定資産の入手から使い道変更までの期間によって変わります。
- 調整対象固定資産の入手から1年以内→全額をマイナス
- 調整対象固定資産の入手から1年以後2年以内→3分の2をマイナス
- 調整対象固定資産の入手から2年以後3年以内→3分の1をマイナス
さらに・・・。
仕入・経費にかかる消費税から引ききれなかった消費税の金額が出た場合。
シンプルに言うと、消費税の納税額にプラスされてしまうのです。
非課税業務用→課税業務用に変更
この場合は、さっきと逆パターンです。
消費税が課税されない売上のために使用する調整対象固定資産を入手してから3年以内に、消費税が課税される売上のために使うようになった場合は、仕入・経費にかかる消費税に調整対象固定資産にかかった消費税の金額をプラスするということになっています。
そして、プラスする消費税の金額も、調整対象固定資産の入手から使い道変更までの期間によって変わります。
- 調整対象固定資産の入手から1年以内→全額をプラス
- 調整対象固定資産の入手から1年以後2年以内→3分の2をプラス
- 調整対象固定資産の入手から2年以後3年以内→3分の1をプラス
【編集後記】
昨日は朝一から西荻窪にお出かけし会合に参加。
ランチをして帰宅後、毎日のブログ更新。