消費税を学びなおす35~棚卸資産と消費税~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、消費税を学びなおす。棚卸資産にかかっていた消費税について。
<前回>
商品を買ったとき
法人税や所得税の世界では、
商品は仕入れた後で、それが売れるまでは売上原価にならない
というルールがあります。
年度末に売れ残った商品は「棚卸資産」として、決算書に資産ですよと載せることになっています。
一方変わって、消費税ではどうなるのか?
法人税や所得税に合わせるのでしょうか?
答えは、「合わせない」というのが正解。
商品を仕入れた時点で、仕入税額控除に含めて消費税の計算を行うことになります。
例え年度末にその商品が売れ残っていても、法人税や所得税に合わせて仕入税額控除にしない、とはならないのです。
免税事業者だったときに買った商品の場合は?
ここで質問です。
自分が消費税の免税事業者だったときに購入した商品が、課税事業者となった時に売れた場合、消費税はどうなるのでしょうか。
免税事業者だったときに購入した商品は、当然仕入税額控除の対象にはなっていません。
でも、課税事業者になって売れたということは、売上には消費税がかけられているのです。
これではバランスが取れません。
ということで、免税事業者から課税事業者に移行した年の前年末の時点で(免税事業者だった最後の日)、免税期間中に課税仕入れの対象だった棚卸資産があった場合は、その棚卸資産に含まれている消費税相当額を、課税事業者となった年の消費税とみなして計算することになっています。
あ、簡易課税制度を適用している事業者の方はこの制度は受けられません。念のため。
逆に、課税事業者だったときに買った商品がある場合は?
逆パターンです。
課税事業者だったときに買った商品が、免税事業者となるときに残されている。
この場合はどうなるのでしょうか?
課税事業者だったときに購入した商品は、その時に仕入税額控除の対象になっています。
でも、免税事業者になってから売れたということは、その売上には消費税がかけられていない。
またしてもバランスが取れないのです。
今回はどうするのか。
課税事業者から免税事業者へ移行した年の前年末の時点で(課税事業者だった最後の日)、免税事業者となる直前の課税期間中に課税仕入れの対象だった棚卸資産があった場合は、その棚卸資産に含まれている消費税相当額は、その直前の課税期間中の消費税の計算から除かれることになります。
言葉の違いに気を付けましょう。
免税→課税の場合は、「免税期間中」の商品の購入が対象です。
課税→免税の場合は、「免税となる年の前年」の商品の購入が対象です。
日本語の意味が全く違います。ご注意を。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。買い物を挟んで、お昼までゆっくりめに。
夕方からはオンラインセミナー受講。発信について。