消費税を学びなおす29~居住用賃貸建物~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は消費税を学びなおす、「居住用賃貸建物」について。
<参考>
いたちごっこの末に・・・
アパートを建てるとしましょう。
このアパートの建設費にも消費税はかかっています。でも確か、消費税の世界のルールでは、非課税売上に対応する支払いに係る消費税は計算から除かれてしまったはず。
何とかならないか。と思った方がたくさんいたんでしょう。
建物の完成の翌年から実際の入居開始を始めればいいじゃんと。建物の完成の年で何らかの課税売上を発生させれば、アパート建設に関する消費税が計算されて、消費税の還付金が手に入る!
・・・こんなことがあったのです。
国の方でもこれはよろしくないということで税金のルールが変わってしまいました。
税金の世界ではよくある話です。納税者がルールをすり抜けるような方法を編み出し、国側がそれをふさぐルールを新しく作る。
こうして税金は複雑になっていくのです。
アパートを建てたときは、消費税の計算を認めない
「居住用賃貸建物」という考えを整理していきましょう。
これは何かというと、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物、とされています。
どういうことかというと。
お店とか事務所の場合は対象外でしょう。
でも、建物のフロアごとに居住用だったり事業用だったりした場合は?居住用賃貸建物になります。
建物の構造や設備の状況など、住宅の貸付け用でないことが客観的に明らかでなければそれは居住用賃貸建物だ、ということなのです。
もし居住用賃貸建物だった場合は、建物に関して支払った消費税は一切計算に入れてもらえないということになります。
なおこの効果は、建物の価額が1000万円以上の場合に発動します。
これ、どうしようもないの?
一応救済策も。
建物を買った日の属する課税期間の初日から3年以内に、
- 住宅以外の用途で貸し付けるようにした
- 他人に建物を売却した
ということがあれば、建物に関して支払った消費税の金額のうち一部を消費税の計算に含める、という調整があります。
住宅以外に使うようになったり、売却したような場合にまで一切消費税の計算を配慮しないというのも、なかなかヒドイ話ではありますので。
あと、建物の構造や設備の状況などにより、居住用に使わないことが明らかな部分とそれ以外の部分に合理的に区分した場合は、居住用の部分だけ消費税の計算が制限される、というものもあります。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは友人宅にお呼ばれ。