消費税を学びなおす25~インボイス特有のお話~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は消費税を学びなおす、インボイス関連です。
<参考>
インボイスに特有の・・・
2023年10月からインボイス制度がスタートしました。そのおかげで(?)、消費税では話題が増えてしまいました。
インボイス導入後の消費税の世界では、計算方法自体が変わるわけではありません。
売上にかかる消費税-仕入・経費にかかる消費税=税務署へ納税する消費税
この計算式は変わりません。
ただし。
「-仕入・経費にかかる消費税」の部分。
ここに入れることができるものは、インボイスしかダメなのです。
そうです。インボイスの形式以外の請求書や領収書を取引先からもらっても、消費税の計算からはじかれてしまうのです・・・。
ただ、これでは取引上マズイので、特例を用意しています。
- インボイスを発行しない事業者との取引に関する特例
- 小規模事業者に対する「2割特例」
以下で解説します。
インボイスを発行しない事業者と取引した場合
上でも書きましたが、インボイスをもらえないと消費税の計算上多大な影響があります。
ただ、これではインボイスを発行しない事業者さんが取引から除け者にされてしまいます・・・。
そこで、インボイスを発行しない事業者さんとの取引でも、一部の金額を消費税の計算に反映させる特例が用意されています。
具体的に言うと、
- 2023年10月1日~2026年9月30日までの取引→「インボイスを発行しない事業者さんの仕入・経費にかかる消費税」のうち80%まで
- 2026年10月1日~2029年9月30日までの取引→「インボイスを発行しない事業者さんの仕入・経費にかかる消費税」のうち50%まで
全額とはいかないまでも、仕入・経費にかかる消費税を計算に反映させることができるようになっています。(時限措置ではありますが)
小規模事業者の「2割特例」
消費税の免税事業者がインボイス発行事業者に登録すると、モレなく消費税の申告納税義務がついてきます。
インボイスに登録しなければ消費税は免税のままだったのに・・・。
ということで、免税事業者がインボイスの登録をした場合に、消費税の計算を簡単にする特例が用意されています。
上にも書きましたが、消費税の計算は、
売上にかかる消費税-仕入・経費にかかる消費税=税務署へ納税する消費税
この「-仕入・経費にかかる消費税」の部分を、
「売上にかかる消費税の80%相当額」に置き換えます。
つまり、税務署に納税する消費税は売上にかかる消費税の2割でいいということになります。
このことが「2割特例」のゆえんです。
しかもこの特例、事前の届出等は一切不要。確定申告をするときに選択すればいいということになっています。
積極的に使っていきましょう。
(ちなみに、本来の計算方法で消費税を申告することももちろん可能です。仕入・経費にかかる消費税が売上にかかる消費税の80%相当額を上回るようなら、2割特例を使うとかえって損です。)
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からはお客様との打ち合わせ。税務調査について。
夜は蔵書の整理。しかし暑かった・・・。