消費税を学びなおす20~値段が高い資産を買ったとき~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は消費税の学び。お高い資産を買ったときに気を付けたいこと。
<参考>
- 消費税を学びなおす15~納税義務の免除~
- 消費税を学びなおす16~納税義務の免除その2~
- 消費税を学びなおす17~納税義務の免除その3~
- 消費税を学びなおす18~相続で事業を承継したら?~
- 消費税を学びなおす19~新しく会社を作るとき~
問題点
そもそも論、なんで値段が高い資産を買ったときに消費税を気にしなきゃいけないのか?
値段が高い資産を買うということは、その中に入っている消費税も大きい金額になります。
税務署へ申告する消費税の金額は、
売上にかかった消費税の金額-仕入・経費・資産の購入にかかった消費税の金額
で計算します。
すると、高い資産を買ったときに消費税がたくさんかかると、売上にかかった消費税の金額を超えてしまうこともあり得ます。
こういう場合は、消費税が還付になるのです。
ただし。還付の申告を出すためには、「課税事業者」である必要があります。
そのため、
本来は免税事業者のはずの事業者が、事前に届出を出すことであえて課税事業者となり、高額な資産を購入して還付の申告を受けて翌年にはまた免税事業者に戻る。
なんていうことが可能だったのです。
これを防ごうということで、大きく分けて2つのルールができてしまいました。
100万円以上の資産を買ったとき
まず一つ目。
税抜価格で100万円以上の資産を買った場合です。
この資産のことを、
「調整対象固定資産」
と呼んでいます。この調整対象固定資産からは、棚卸資産は除きます。
もし、免税事業者があえて課税事業者となる届出を出して翌年から課税事業者となったような場合。
課税事業者となって2年以内に「調整対象固定資産」を購入した場合には、購入した年を含む3課税期間は強制的に課税事業者となってしまいます。
基準期間の課税売上高が1000万円を切っても、です。免税事業者に戻れるのは、この強制期間が終わってからとなります。
ちなみに、この対象となる事業者には、
- 基準期間がない資本金が1000万円以上の新設法人
- 基準期間がない課税売上高5億円を超える事業グループ傘下の法人
も含まれていますので要注意です。
1000万円以上の資産を買ったとき
二つ目のルール。
税抜価額で1000万円以上の資産を買った場合です。
この資産のことを、
「高額特定資産」
と呼んでいます。この高額特定資産には、棚卸資産を含まれます。さっきとは違いますね。
課税事業者が、国内において高額特定資産を購入した場合。
購入した年を含む3課税期間は強制的に課税事業者となります。
このように、高級な資産を購入する際は、消費税の申告に制限がかかりますので、シミュレーションは忘れずに~。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
お昼からはセミナーネタの整理とオンラインライブを視聴。
夜は早めに就寝。最近は6時前に起床するように身体を調整中。