で、証拠は?
「それ、証拠ありますか?」
調査官時代、税務調査の場面でよく納税者に質問しました。請求書をザーッとチェックしていて、おや、と思うものはどういう内容なのか具体的に質問します。納税者からの説明を聞いたうえで、その説明を裏付ける証拠を見せてくれるよう依頼します。
別にイジワルしているわけではなく、「事実の確認」こそが調査官の仕事。お話だけフンフン聞いて調査が終わるんなら、調査の仕事自体意味がないわけで。
請求書、領収証があるのは最低限
書類がそろっているのは、最低限です。「請求書?そんなもん捨てた」ではお話にすらならない。そのうえで、できれば裏付けとなるものを見せてほしい。
例えば・・・
・年度末に消耗品を大量に買った場合です。思考としては、「本当に年度内に納品されてるの?」というものがあります。そこは、「納品書」でカバーしましょう。納品書がなくても、「いつ消耗品が届いたのか」わかればよいのです。年度内に納品されていることがわかれば、とりあえずはクリア。
・固定資産を廃棄して、損失が出た場合。思考としては、「本当に捨てたのか?」となります。ここは、固定資産を廃棄したのですから、当然廃棄業者にお願いしているはず。業者から提出された書類を見せましょう。廃棄した日付がわかればよし。何だったら、固定資産が置いてあった場所も調査官に見せればいいんです。「ほら、無いでしょう」と。
自分で説明できるか
上に書いたのはほんの一例。調査で確認することはまだまだたくさんあります。
大事なことは、「自分で説明できるか」。別に全部記憶しろとはいいません。だからこその、裏付け。物に語ってもらえばいいんです。税理士も必要なフォローはします。ただ、費用を支払ったのは何よりあなた自身です。自分が説明できないものは税理士にも説明できません。自分ですら何をしたのかわからないものは、税理士にもわからないんです。
どうか、この辺りを意識して証拠を残していただければと思います。
また、どのような証拠保存が必要なのか、相談したい方はこちらから→単発相談
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは面談のネタ出し。これをどうお話しするか。
夜からは支部の新入会員懇談会へ出席。