消費税の申告書の作り方
消費税の申告書をどうやって作るのか、国税庁の確定申告書作成コーナーを具体例にご説明します。
なお、昨日の記事では2割特例で申告書を作るケースをご紹介しました。→消費税の申告書の作り方(2割特例編)
今日は、「通常の作り方」で消費税の申告書を作りましょう。
「2割特例などで、手間を省いて作る方法もあるのに、なぜ?」という方はこちらの記事をご覧ください。→「2割特例」を使わない方がいい場合とは
最初の設定
作る申告書を選びましょう。
右から2つめ、消費税をクリックします。
続いて、条件判定に移ります。
去年インボイスを登録をして、今年初めて消費税の申告をする方、という前提で進めます。
- 基準期間の課税売上高→2021年一年分の個人事業の収入金額を入力しましょう。所得税の申告書の数字をそのまま入力すればOKです。(2022年、2023年から個人事業を始めた方は、「0円」と入力しましょう。)
- 適格請求書(インボイス)発行事業者ですか?→「はい」
- 令和5年10月1日以降に新たに課税事業者となりましたか?→「はい」
- 2割特例を適用しますか?→「いいえ」
- 簡易課税制度を選択していますか?→「いいえ」(もし簡易課税の届出を提出していれば、通常の作り方はできません)
- 免税事業者であった期間の課税売上高→2023年1月~9月の収入金額を入力しましょう。
- 経理方式を選択してください→税込経理(昨年まで免税事業者だった方は、おそらく税込経理となっているはずです。)
- 売上税額の計算方法→割戻し計算
- 仕入税額の計算方法→割戻し計算or積上げ計算(こちらはどっちでも構いません)
ここから消費税の計算
「所得区分の選択」という画面に移ります。
「事業所得(営業等)」を選びましょう。また、違う区分の場合は(不動産賃貸業とか)、正しい区分を選択しましょう。
選択すると、旧税率分の売上と仕入があるか聞かれますので、両方とも「いいえ」を選択しましょう。「はい」を選ぶと、国税庁の確定申告書作成コーナーでは申告書を作ることができなくなります。
この画面では、
インボイスを登録した日以降の取引
を入力します。
最初の「売上金額の入力」については、インボイスを登録した日以降の収入金額を入力します。もしその中に、消費税がかかっていないものがあれば、下の欄に入力します。
次の「課税取引金額の入力」ですが、インボイスを登録した日以降の収入金額で、軽減税率のものがあれば入力します。
最後の、「売上に係る対価の返還等の金額の入力」については、インボイスを登録した日以降に売上の値引きや返品などがあれば「はい」を入力します。
ここの入力が最難関です。ただ、ここを入力すれば、基本的にはおしまいですから頑張りましょう。
インボイスを登録した日以降の仕入・経費について入力していく画面です。
お使いの会計ソフトから、「科目別税区分表」というものを使います。この名前のものが見当たらなくても、どの勘定科目に、消費税がかかった取引がいくらあるのか、わかれば入力できます。
<入力方法>金額は、すべて税込みで入力します。
- まずは、科目別税区分表の勘定科目の金額をそれぞれ一番左の「決算額」(A)にそのまま入力します。
- 決算額のうち、消費税がかかっていない取引の金額を隣の「うち課税取引にならないもの」(B)に入力します。科目別税区分表には、対象外とか非課税取引なんて書いてあると思います。
- 消費税がかかっている取引のうち、軽減税率の対象になっているものがあれば、「うち税率6.24%」(D+E)に入力。なお、対象になっているものがなければ、「0円」と入力しましょう。エラー表示になり進めません。
※E、G欄について。もし、仕入・経費のうち、少額特例の対象外である、インボイスでない請求書や領収証があれば、その金額を入力しましょう。
一応、少額特例についての記事もあります。→記事
金額を入れ終わると、いろいろ選択肢が出てきます。「はい」「いいえ」を入力し、先に進みます。
結果確認
消費税の計算結果が出ます。ただし、この画面、非常にわかりにくい。
出てくる数字が、「控除対象仕入税額の金額」なのです。要は、納税額ではないということ。
(一応、数字の下に、有利な申告方式が出ます)
今回は、「全額控除」を選択します。
はい、納税金額が表示されて、消費税の申告書の作成終了と。
お疲れ様でした。
とにかく難関は、仕入・経費の金額を入力するパート。最初は私も心が折れかけました・・・。頑張りましょう。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。午後からは自身の会計入力と、夕方からのオンラインライブ。