仕事で使っている資産を捨てた場合(資産損失)

2023-12-01

自分の事業で使っている機械や設備など、固定資産を捨てることもあると思います。この場合、税金の計算にどんな関係があるのか、書きました。

原則は、「必要経費」という扱いになる(所法51①)

  1. 不動産所得、事業所得、山林所得の事業に使っている固定資産、繰延資産に対して
  2. 取り壊し、除却、滅失その他の事由により損失が生じた。

<ポイント>

  • 事業に使っていること。

→当然ではありますが、自分の事業に関係ない資産が壊れたり捨てたりしても、経費にはなりません

  • 言葉の意味

→「除却」=実際に捨てたわけではないが、事業ではもう使わないという状態。例えば、もう使わなくなって、今後は事業で使う可能性がないものなど。(所基通51-2)

「滅失」=消えてなくなること。

「固定資産」=機械、設備、自動車、建物などのこと。

  • 資産はなくなったけど、保険金や損害賠償金を代わりにもらったよ

補填された部分は、経費になりません。(その代わり、保険金や損害賠償金は非課税)

いくら必要経費になるのか(所令142)

  • 固定資産の場合

→その固定資産の購入金額-(これまで減価償却した金額+その固定資産の時価+保険金や損害賠償金)=経費

固定資産の金額が経費になりますが、これまでの期間、減価償却をして少しずつ経費にしているはず。もう経費になった部分は、差し引きます。

  • 繰延資産の場合

→その繰延資産の金額-(これまでに経費にした金額+その固定資産の時価+保険金や損害賠償金)=経費

  • 経費に入れたら赤字になったけど(要注意)

→赤字になっても問題ありません。ただし、「事業的規模ではない」不動産所得と雑所得の場合は、赤字にはできません。ゼロまでしか経費にはできません。(所法51④)

不動産所得が「事業的規模」になる一つの基準(所基通26-9)

一応、国税庁では基準を決めています。

賃貸料の収入の状況だったり、貸付資産の管理の状況などからみて、「事業と言えるか程度の規模どうか」で判断するとしています。

さらに、建物の貸付をしている場合、次のような基準もあります。

  • 貸間、アパートの場合→おおむね室数が10以上
  • 独立した家屋の貸付の場合→おおむね5棟以上

「5棟10室基準」などと呼んでおります。

この基準をクリアすれば、「事業的規模」の不動産事業と扱われ、計算上、赤字になるような損失も認められます。

かなり形式的なので、え~、と違和感を感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

ただ、「事業的規模」になるのかならないのかで、税金の計算に違いが生じることがあるため、注意が必要です。

【編集後記】

昨日は毎日のブログ更新。

午後からは、時間が空いたが2本目の動画をオンラインストアにアップ。

3本目の制作に取り掛かりたい。