立場を思いやるには「知ること」から
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、立場を思いやるには、まず知ること、というお話。
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見つける立場、チェックする立場
国税職員として12年間ほど働いていました。
その短い12年の中で。色んな仕事を任せてもらいました。
国税職員といっても、別に税務調査だけを行っているわけではありません。
税務調査に直接関係する仕事もあれば、まったく納税者と関わらない部署もあったり、ひたすらバックオフィスでの仕事もあったり。
色々と、仕事はあります。
一般的に税務署の職員として採用されたら。短い新人研修期間の後、いきなり税務調査の仕事に携わることになります。
ここで挫折感を覚える方も多いでしょうが、心配いりません。税務調査以外の仕事も国税組織にはたくさんあります。
税務調査が苦手です。大いに結構です。別の部署で才覚を発揮してもらえればいいと、個人的には思います。
すこし脇道にそれましたね。
税務調査以外の仕事もたくさんあると言いましたが、税務調査の仕事も細分化すれば色んな仕事があるのです。
雑に分けると2つ。
納税者と相対して申告誤りを見つける立場と、それが本当に誤りなのかをチェックする立場。
税務調査は「国家権力」の行使である
だからこそ、税務調査の結果は税務署内部で厳正に審査を受けます。
法令に反した、誤った課税処分をしていないかどうか。
これを調査担当者以外の別の人間(審理担当って言います)が徹底的にチェックする。
このチェックを通らないと、税務調査で課税できないのです。
・・・そしてこれが、税務調査が長引く要因の一つだったりもします。
それはさておき、私は税務調査が苦手な方でした。
査察はもちろん、資料調査課なんて、あんなハードな税務調査を行う部署は絶対に異動したくない!
こう思っていたタイプでした(ごめんなさい)
税務調査が苦手でも、勉強が好きなので審理担当の仕事は向いているかもしれないとか、勝手に思っていたわけです。
今考えれば、失礼な話です。こっちの仕事が苦手だから、別の仕事はできそうだとか、そういう問題ではないので。
両者とも、税務調査という一連の仕事のうちの一部パートを担当しているだけなのです。
つまるところ、税務調査を知らない人間に審理担当はできない。
その裏返し、審理担当の仕事を知らない人間に税務調査はできない。これも通用します。
「どちらか」ではないのです。
「どちらも」知っておく必要があるのです。
あ、勘違いしないでくださいね。
「得意」かどうかではないのです。
知っているかどうかの問題です。
知って始めて立場を思いやることができる
調査担当者と審理担当。
同僚のはずなんですが、結構対立します笑
「こういう風に課税します!」
と持って行った調査案件の報告書が、
「これでは課税できません」と言って大量の付箋紙がついて戻される。
「あいつ、何にもわかっていない」ってお互いが思っているわけですから、本当に若かったなと笑
私は審理担当の仕事をしたことはありませんが、仕事内容は知っていました。
だから、審理担当が自分の調査案件をチェックしたときに何が気になるのか?という視点を持つように考え方を変えたわけです。
そうすると、税務調査の仕事がスムーズに終わるようになりましたね。
彼らはここが気になるんだろうな、と立場を思いやれるようになったんです。
自分の立場で意見を主張するだけでは、ぶつかるばかりで解決できない。
解決するには、相手の立場を思いやる必要がある。
そして相手の立場を思いやるには、相手の仕事を知る必要がある。
その上で。自分の今の仕事と、どうやってすり合わせていくのか?
こう考えることができるようになれば、組織で働きやすくなります。
「彼を知り、己を知れば百戦危うからず」と昔の人は言いました。
正にこの言葉の通りですね。
【編集後記】
昨日は早朝より、少人数の勉強会に参加。ランチ会も。
夕方に帰宅し、ブログ更新。

