「小さな親切、大きなお世話」で追徴課税?
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、「小さな親切、大きなお世話」で追徴課税?、というお話。
申告書の種類誤り
税務署で勤めていた時。
とある会社さんから提出された消費税の申告書について、エラーが出ていたのです。
もちろん、脱税を検知したわけではなくて(そんなシステムがあるなら私も欲しい笑)、
税務署に提出した申告書について、明らかな記入ミス、見ただけでわかる計算誤りがあった場合に、エラーの表示が出て担当者に対応が求められるのです。
私が確認したエラーの内容は、
「出ている申告書の種類が間違ってますよ」
というもの。
消費税の申告書に種類があるのか?
実は、あるんです。
普通の申告書と、
簡易課税の申告書。
この2つがあります。
小さな親切、大きなお世話
消費税の計算は、受け取った消費税から支払った消費税を差し引いた残りを税務署に納める仕組み。
単純に言えばこれだけなんですが、消費税の計算ルールはもっと複雑なのです。
ですから、事務処理に限界がある小規模事業者に配慮して、簡易課税という制度が作られました。
これは、事業者の営む事業の種類ごとに、受け取った消費税のうち一定割合を自動計算して税務署に納める仕組み。
極端な話、売上がわかれば納める消費税が計算できる便利な仕組み
・・・では、あるのですが。
この制度を使うためには税務署への届出が必要なのです。
しかも、条件付き。
2年前の売上が5000万円以下の年でないとダメ。
ここに落とし穴があるのです。
簡易課税の届出は、売上が5000万円を超えた瞬間に無効になるわけではないのです。
簡易課税を使いませんという内容の届出を税務署に提出しないと、永久に効果が残り続けるのです。
エラーが出たのは、これが原因。
歴史ある会社さんで、年商は1億円。
でも、その2年前。
何かの原因で、たまたま売上が5000万円を切ってしまった。
この会社さんは、消費税の普通の申告書で計算してたんですね。
でも、売上が5000万円を切ったせいで、簡易課税の効果が発動し、
簡易課税の申告書で計算をしなければならなかったのです。
結果的に計算上、追加で税金を支払うことになったのです。
小さな親切、大きなお世話。
当時、同じ部署の先輩の言葉です。
それは誰のためなのか?
この簡易課税。
もとは、小規模な事業者さんの事務負担に配慮したい、という親切心から始まったもの。
それが、結果的に事業者に負担を与えてしまう結果となった。
これは、国の制度だけの話でしょうか?
いえ、私たち専門家の日常にも、同じ問題が潜んでいます。
私にとっては親切しているつもりでも、相手にとってはどうか?
それは、専門知識をひけらかしたいだけの自己満足の親切ではないのか?
あれも話そう、この資料も説明したい、お客さまにわかってもらわなきゃ。
当のお客さまは、情報過多でうんざりしてるかも。
何かしてあげたいと思ったら、
それは本当に相手を思ってのことなのか?
もう一歩踏み込んで、
それは自己満足のためではないのか?
ちょっとだけ、踏み止まってもいいかもしれませんね。
【編集後記】
昨日は午前中はブログ更新と自重トレーニング。
午後からは、お客さまのExcel会計入力。
データの整理など。

