時間を奪わない、そして決断を急がない

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、時間を奪わない、そして決断を急がない。経営者の「命」に対する最大のリスペクト、というお話。

時間は命の断片である――1秒たりとも妥協しない「器」の理由

国税局の新人時代、骨の髄まで叩き込まれた「5分前行動」という絶対的なルールがあります。

当初は単なる厳しい規律、あるいは古い組織体質だと捉えていた部分もありました。

守れていないと、怒鳴られましたねぇ・・・

しかし、税務調査の現場に出て、納税者と相対するようになったとき、その本当の意味を痛感することになりました。

遅刻をし相手を待たせるということは、決して単なるビジネスマナーの欠如などではないのです。

遅刻をするということは、限られた相手の「人生の一部」、「命の断片」を一方的に奪い取る行為なのです。

独立して税理士という専門家になった今でも、この教えは私の根本に深く染み付いています。

だからこそ、私はミーティングの開始時間はもちろん、終了時間についても1分たりとも妥協しないようにしています。

このことは、私を頼ってくださるお客さまの貴重な人生を、命を、絶対に無駄にしないためなのです。

「決断を急がせること」はプロの傲慢であり、最大のノイズである

しかしながら、ここで明確にしておかなければならない重要なことがあります。

「時間に厳しい」ことと、「決断を急がせる」ことは、全く別次元の話だということ。

私は設定した時間の枠組みは守ります。

ただし、お客さまである経営者に対して「決断」を急がせることは絶対にしません。

なぜなら、経営における重大な決断には、必ず内面での「熟成期間」が必要不可欠なのです。

経営者自身にこれまで蓄積されてきた膨大な知識や経験、あるいは私からご提供した会計に関する情報。

それらがお客さまの内部で複雑に混ざり合い、発酵し、「決断」へと昇華するまでには、どうしても時間が必要なのです。

専門家の中には、この熟成期間を待てず「どうしますか? 早く決めてください」とプレッシャーをかける方もいるでしょう。

だが、それは経営判断を誤らせる要因となりうるのです。

他人に急かされて無理やり出した答えは、もはや「経営者自身の決断」ではないのです。

経営の主体はどこまでいっても経営者自身であり、税理士ではありません。

我々の仕事とは、経営者のハンドルを奪うことではない。本人が完全に納得してアクセルを踏めるまで隣で待つことも必要なのです。

矛盾の統合――経営者の人生と命に対する最大のリスペクト

私自身も、一個人とはいえ日々ビジネスの最前線に立つ経営者の端くれ。

だからこそ、正解のない厳しい世界で、孤独に物事を決断しなければならないという、その途方もないプレッシャーと重みは痛いほど理解しているつもりです。

迷う時間、思考する時間。

自分自身のビジネスに対して100%の責任とプライドを持つための「時間」は、最優先で確保すべきなのです。

ただし、時間は命の次に大事なものであります。

経営者として、一分一秒とも無駄にはできないですよね。

「決断までの心は、じっくりと。しかし、共に過ごす時間は厳格に守る」

冷たいように思えるかもしれませんが、心の熟成期間をゆったりと待つ。

この一見矛盾するようなスタンスの共存こそが、私なりの伴走者としてのスタンス。

経営者であるあなたの人生と命に対する「最大のリスペクト」なのです。

【編集後記】

昨日は午前中はブログ更新。

午後から外出し、浅草で会合に参加。

帰宅後、お客さまの申告集計。