国税職員時代の思い出⑥

税務署で勤務して一年がたち、人事異動で法人担当へ。


<参考>


満を持して(?)法人担当へ

新人の人事異動の希望では、

「どの系統へ行きたいか」

という出し方をすることが多いように思います。

ですので例えば、法人課税部門とか、資産課税部門、といった風に。

・・・そもそも、税務署の仕事内容をそこまでわかっていなかったので。国税組織の中で仕事を経験していくうちに、細かい職種もあることを覚え、人事の希望も細かくなっていくんです。

それに、最初の一年間は管理運営部門で仕事をして、二年目以降は各系統に分かれて異動していく、くらいしか聞いてませんでしたし。

私の第1希望は、「法人課税部門」でした。そのため、希望通りと言えば希望通り。

部門が変わると世界が違う

ということを、感じました。

空気に緊張感があるんですよね。

やっぱり税務調査をメインの業務にしているからか、などと思いながら。

ただ、税務署の同期のほとんどは法人担当に異動しましたので、そこはある意味安心。「新人特有」の仕事も協力してこなします。

さて、税務署では2年目でも、法人担当としては「1年目」です。新人向けの研修もちょこちょことあったりします。

その中で一番衝撃だったのは、「自分たち調査官はホワイトカラーではない」と断言されたこと。

これはエライところに来てしまったな、と。

「考え方」を変える必要性

そして確かに、ホワイトカラーではなかった。

「職人気質」というものです。

仕事は見て覚える、そういう世界です。

令和の今では、そういうやり方に批判もあるそうですが、当時はその中で仕事を覚えていくしかなかったというのも事実(と言っても10年ほど前の話ですが)。

思えば、法人担当の最初の1年が、国税職員時代の一番大変だったときですね。

今まで20年以上生きてきて、考え方を変える必要性がありましたので。

ただし。ここで考え方を変えることができたこともあって、その後の国税人生で多少は役に立ったのも事実。全面的に否定する気持ちになれないのも、素直な思いです。

(ちなみに、仕事を見て覚えるという手法を「モデリング」と呼んでいます。こういう記事も書いています。)

税務署で会社に調査に行くときは、基本自分ひとり。ここが管理運営部門とは決定的に違うことでした。困った時にすぐに聞ける先輩がいません。すべて自分で対応しなければなりません。会社の人も税理士も、「税金のプロ」として接してきます。

こういう厳しい世界へ入り込んでしまったのでした。

【編集後記】

ほんとうに、あの一年が一番大変でした。でも、そのおかげで次年度以降の仕事の負荷が多少は軽くなったように感じています。

それがよかったのか、悪かったのか。

さて、昨日は朝一のブログ更新。午後からはお客様のご自宅に訪問し、会計のアドバイスと今後の打ち合わせ。

夕方に帰宅し、終了。