絵を描きましょう
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、ヒアリングするときのコツについて。
ヒアリングは「命」
これは国税調査官時代に上司からよく言われていました。
「税務調査に伺った時に、あいさつをしてからすぐに帳簿や請求書をめくっているようではダメ。
調査初日の午前中いっぱいは、納税者から事業に関するヒアリングに使うように。」
そこまで社交的な性格ではなかったので、
「え~、午前中いっぱい、初対面の社長と話をしなければいけないんですか?」
などと不満に思っていました。
なぜヒアリングをするの?
そもそもヒアリングの重要性を理解していない、未熟者のたわごとです。
調査官の立場で言うと、調査に行く前の段階では、基本的には納税者に提出してもらった申告書と決算書しか、納税者の税金についての情報はありません。
これだけの情報を基に、調査対象の納税者をどうやって調査していくか、何を調査するのか、計画を立てなければいけないのです。
一応、調査に伺う前に、
「決算書のこの項目と、申告書のこの部分を確認しよう」
という予定は立てています。
ただ、この予定はあくまで「項目」的なものでして。
売上を見ます、とか、外注費を見ます、という程度です。
これでは、とても調査に入れないので(だいたいは2日間程度しかないし)、納税者から直接ビジネスの状況をお伺いして、具体的にビジネスのどの部分に焦点を当てて調査を進めていくか、絞り込みをしなければならないのです。
ヒアリングをロクにしないで調査に入る、というのは「無謀」なのです。
そして、このヒアリングの重要性、税理士という立場になっても変わりません。
「ポンチ絵」をご存じですか
ヒアリングをすると言っても、箇条書きにしてひたすらメモを取る・・・というのもあるかなと思います。
ただ、そうすると、時間が経ってから見返しても、欲しい情報がどこに書いてあるのやら。それに、断片的ですし。
税理士になると、複数のクライアントを抱えているような場合では、情報の整理も大変です。
ということで、クライアントのビジネスの状況を絵として描いて視覚的に情報を整理してみてはいかがでしょうか。
「ポンチ絵」などと呼ばれています。
絵として整理しておくと、他の方との情報共有でも役立ちます。その絵を見せて話せばいいので。
また、クライアントに対しても、
「ビジネスについてまとめたのですが、これで合ってますか」
と絵を見せて確認を取ればいいのです。違うところがあれば違います、と言って教えていただけるでしょう。
デメリットとしては、「練習が必要なこと」でしょうか。
最初からうまくは描けませんからね。枚数を重ねることが大事です。
オススメの本として、「税務図解の技法」。元国税の方が書いた本で、ポンチ絵がたくさん出てきます。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
お昼前からお出かけし、新橋でランチ。
その後、税理士の井ノ上陽一さんとコラボセミナー。
税務調査について、お話しさせていただきました。
私の担当パートは2時間・・・。人前でよくこんなにしゃべったな自分。
懇親会にも参加し、帰宅。