年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告の違いは何でしょうか。この両者、会社員・公務員の方にとっては色んな控除の証明書を集めて提出して・・・と、似たようなものに見えるかもしれません。

年末調整とは

勤務先の方で、従業員の1年間分の給料が確定する年末に、その従業員の所得税を計算すること、です。

なぜこんなことを勤務先で行う必要があるのでしょうか?

毎月、給料をもらうときに所得税が源泉徴収されているはずです。源泉徴収される税金の計算は、「源泉徴収税額表」というものがあって、その表に書いてある金額を勤務先の方で源泉徴収をしています。毎月の給料の支払額と、扶養親族の数に応じて自動的に源泉徴収する税金が決まりますので、便利と言えば便利。

ただ、この「源泉徴収税額表」、弱点もあります。

  • 毎月同じ金額の給料が支払われる前提で税金の金額が決められている。
  • 一年の途中で扶養親族の人数が変わっても、さかのぼって源泉徴収の金額を修正しなくていい。
  • 生命保険料控除や地震保険料控除などがあっても、毎月の源泉徴収税額に反映されていない。

など、単純に一年間源泉徴収された金額を合計すれば、イコールその方が負担すべき所得税の額とならないことがあるのです。

これでは困りますので、給料の年間の金額が確定する年末で、勤務先の方で正しい所得税の金額を計算して、取りすぎていれば相殺しようということなのです。

確定申告とは

確定申告も、所得税の計算をすることは同じです。

一番の違いは、税金の計算を自分で行うということ。

年末調整は勤務先の経理の方などが行ってくれましたが、確定申告はあくまでご自分で行う必要があります。

日本は「申告納税方式」を採用しており、自分の税金は自分で計算して国にお知らせすることになっていますので、国の方で勝手に税金の金額を決めてくれるわけではありません

教科書的に言うと、「民主主義の大事な柱」ということでしょうか。ある意味、国民を信頼しているということでもあります。

(もちろん、何でも自分で・・・ということではありません。多忙で時間がないとか、複雑な申告内容で自分にはできないなど、ご事情があれば専門家である税理士に対価を支払って依頼するということも必要になるでしょう。)

会社員・公務員の方にとっては、基本的に年末調整で終わってしまうので確定申告は関係ないはずなのですが、年末調整ではすべての控除に対応しきれていませんので(医療費控除とか)、一部の会社員・公務員の方は確定申告を行っているのです。

確定申告=税金が戻ってくるというイメージ

・・・は、一部の方にしか当てはまらないということになります。

確定申告の本来の意味からすれば、これは当然のことでもあります。

個人事業主・フリーランスの場合は、自分の税金を計算したら赤字だったというのは必ずしも好ましいだけではないでしょう。事業がうまくいっていないということでもありますからね。

【編集後記】

昨日は朝一のブログ更新。

終日事務所で過ごし、自分のマネーフォワードの繰越処理と会計データ取り込み。確定申告を触ってみたが、質問に答えていけば申告は作れるかなというところ。

ただ、前提として正しく仕訳が入力されていれば正しい確定申告書ができるという感じなので、基本的な簿記の知識がない場合は・・・?