税金の前払いを忘れないで~【確定申告】
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、税金の「前払い」について。
税金にも「前払い」がある
所得税と消費税の申告書を作り、
後は提出するだけ。
・・・それにしても、今回はずいぶんと税金が高いな。
もしかしたら、税金の前払いをしていないでしょうか?
実は、所得税と消費税には、
一定基準を満たした場合に、来年の確定申告で払う税金の
前払いをする必要があるのです。
そして、年明けの確定申告では、
最後に計算できた申告納税額から
前払いした税金を引いた残りの分を納税する、
こういう仕組みなのです。
ちなみに、「税金の前払い」という言葉は正確なものではなく、
所得税の場合は、「予定納税」
消費税の場合は、「中間納付」
と呼んでいます。
「あれ?そんなのしたのかな?覚えていない」
大丈夫です。
予定納税、中間納付の対象の方には、
税務署から通知が来ます。
ですから、そういう通知が来ていない方は、
予定納税、中間納付の対象ではなかった、ということになります。
さて、ここからは制度の説明に入ります。
所得税の「予定納税」
【対象となる方】
→去年の「申告納税額」が15万円以上の個人事業主(副業含む)
※給与収入しかない会社員・公務員は、予定納税は対象外です。
そして、
この申告納税額の3分の1を2回ずつ支払うことになります。
1回目が9月30日、
2回目が11月30日、
それぞれ納税期限があります。
具体例で説明しましょう。
R5年の所得税の申告書で、申告納税額が30万円。
そして、R6年の所得税の申告書で、申告納税額が50万円だった。
こういう場合で考えてみましょう。
まず予定納税。
1回目の予定納税が、30万円の3分の1である10万円。
こちらを9月30日までに支払います。
続いて2回目の予定納税が、またしても30万円の3分の1である10万円。
こちらを11月30日までに支払います。
さて、そうすると、すでに20万円分の税金を
前払いしていることになりますね。
この前払いした20万円を、
R6年の申告書の申告納税額50万円から差し引いて、
残りの30万円を確定申告のときに税務署に支払う、
とこうなっているのです。
※余談。
では、R7年にする予定納税はどうなるのでしょう。
確定申告で30万円を払ったから、そこの3分の1・・・ではないです。
予定納税を引く前の数字が基準となります。
50万円が予定納税の計算に使われますので、気を付けましょう。
消費税の「中間納付」
仕組みは所得税の予定納税と一緒。
前年の消費税が一定額以上の場合に、
消費税の前払いをするというもの。
ただ、消費税の方が複雑で・・・
消費税の国税分の納税額に応じて、3段階に分かれています。
とりあえず、地方消費税は関係ありません。
まず、中間納付の対象となる方
→前年の消費税の国税分が48万円を超える方
です。
そしてこんな感じで分かれます。
①国税分が48万円超~400万円以下
→前年の国税分の半分+地方消費税を8月31日までに納付。
ざっくり言うと、前年の消費税の納税額の半分を前払いをすることになります。
②国税分が400万円超~4800万円以下
→前年の国税分の4分の1+地方消費税を5月31日、8月31日、11月30日までに
3回それぞれ納付することになります。
こちらもざっくり言うと、前年の消費税の納税額の4分の3を前払いをすることになります。
③国税分が4800万円超~
→前年の国税分の12分の1+地方消費税を基本的にほぼ毎月末までに
11回それぞれ納付することになります。
こちらもざっくり言うと、前年の消費税の納税額の12分の11を前払いをすることになります。
まぁ、個人事業主で消費税の納税が4800万円ある方がいるのかどうかは別にして・・・。
という風に、消費税の場合は、
前年の消費税額で中間納付の回数と金額がガラッと変わってきます。
納税スケジュールの見直しと、資金繰りには気を付けておきましょう。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後から弊事務所にクライアントが来所し、
確定申告作成の打ち合わせ。
打ち合わせ終了後、近所の図書館へ。
夕食後に、打ち合わせのまとめ。
寝るまで「三國無双ORIGINS」。