経費のつもりで払ったお金、「資産」になるかも
「繰延資産」というものがありまして(所法2二十)
繰延資産=業務に関し個人が支出する費用のうち、支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもの。
具体的には・・・(所令7①)
- 開業費=事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出する費用。
- 開発費=新たな技術、新たな経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓にために支出する費用。
- 次のうち、支出の効果が支出の日以後一年以上に及ぶもの
- 自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用
- 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ち退き料その他の費用
- 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用
- 製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用
「開業費」は、よく話題に上るものでしょう。開業にあたって支払ったお金は該当します。それ以外は?あまり聞いたことがないかもしれません。
気を付けたいのは●のところ。支払った本人は経費のつもりになっているかもしれません。税金の計算では、「資産」になっているかも。
2個目の●。建物を借りるときの権利金や立退料といったものが該当します。(所基通2-27)
3個目の●。具体例としては、ノウハウの設定契約の時に支払う一時金や頭金。(所基通2-28)フランチャイズに加盟するときなどに関係してくることも。あと、同業者団体等の加入金。(所基通2-29の4)こういった団体に入ることもあるかもしれません。この場合、構成員としての立場を他の方に譲ることができないことを条件に、繰延資産となってしまいます。
「繰延資産」は数年かけて経費にしていく
開業費、開発費の場合→5年間かけて分割して費用にしていく。orまとめて経費にすることもOK
上の3の場合→支出の効果の及ぶ期間で分割して費用にしていく。のだが。
例えば・・・(所基通50-3)
建物を借りるときの権利金や立退料→5年(例外あり)
ノウハウの設定契約→5年(例外あり)
同業者団体等の過入金→5年
注意
- 繰延資産になる費用を、分割で払っている場合
→「全額」を未払金に計上して、全額をもとにして費用にする計算はできません。支払った都度、増やして計算することになります。ただし、分割払いの期間が3年以内の場合は、全額に計上してもOK。
- 支払う金額が20万円未満なら、全部一気に経費にしていいよ。(所令139の2)最後の最後に今更ですが。
【編集後記】
昨日は毎日のブログ更新。
午後から歯医者の定期検診へ。問題なかった。
その後、都心に出かけて書籍などを買い物。都心に出かける機会は少ないので、ついまとめていろいろ買ってしまう。