所得控除~障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生~
昨日の記事では、「人」の属性による所得控除、配偶者控除と扶養控除について解説しました。→所得控除~配偶者・扶養親族~
今日は、所得控除の続き。
障害を持っている方の所得控除(所法79)
対象となる方↓
本人、生計を一にする配偶者、扶養親族が、障害者である場合。
※扶養親族のうち、16歳未満の方も対象です。(扶養控除の対象外でも。)
障害者控除は、控除の額が3パターンがあります。
①障害者に該当するパターン→27万円の控除
- 知的障害者と判定された方
- 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方
- 身体障害者手帳に、身体上の障害がある者として記載されている方
- 精神又は身体に障害がある65歳以上の方で、市町村長や福祉事務所長の認定を受けている方
②特別障害者に該当するパターン→40万円の控除
- 精神上の障害により、事理を弁識する能力を欠く状況にある方
- 重度の知的障害者と判定された方
- 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方で、障害等級が1級と記載されている方
- 身体障害者手帳に身体上の障害がある者として記載されている方で、障害の程度が1級又は2級と記載されている方
- 精神又は身体に障害がある65歳以上の方で、市町村長や福祉事務所長から特別障害者に準ずる者として認定を受けている方
- 年末の時点で、引き続いて6カ月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする方
③同居特別障害者に該当するパターン→75万円の控除
所得税の申告をする方が、特別障害者に該当する生計を一にする配偶者・扶養親族と同居の常況にある場合。
※「配偶者控除・扶養控除」と「障害者控除」の関係について
→配偶者控除・扶養控除の対象になる方が障害者控除の対象にもなる場合、ダブル適用可能です。
また、所得金額の関係で、配偶者控除・扶養控除の対象から外れる方であっても、障害者控除の対象にすることはできます。
配偶者と別れた方の控除(所法80、81条)
①寡婦控除→27万円の控除
所得税を申告する本人が、寡婦にあたる場合で、ひとり親に該当しないこと。
「寡婦」↓
夫と離婚した後、婚姻をしていない方のうち、
- 扶養親族がいる。
- 合計所得金額が500万円以下。
- 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと。
夫と死別した後、婚姻をしていない方、もしくは、夫の生死が明らかでない方のうち、
- 合計所得金額が500万円以下。
- 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる者がいないこと。
②ひとり親控除→35万円の控除
「ひとり親」↓
現に婚姻をしてない方、配偶者の生死が明らかでない方のうち、
- 生計を一にする所得金額が48万円以下の子がいる。(その子が、「別の者」の生計を一にする配偶者、扶養親族となっている場合はダメ)
- 本人の合計所得金額が500万円以下
- 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる方がいないこと
※「寡婦控除」「ひとり親控除」は、「扶養控除」とダブル適用可能です。
仕事をしながら学校に通っている方(所法82)
本人が「勤労学生」である場合→27万円の控除
「勤労学生」↓
- 事業所得、給与所得、退職所得、雑所得がある方のうち、
- 合計所得金額が75万円以下
- 合計所得金額のうち、「事業所得、給与所得、退職所得、雑所得」以外の所得が10万円以下
であること。
その上で、
- 学校教育法に定めがある、小学校・中学校・高等学校・大学など
- 専修学校、各種学校のうち一定の課程を履修させる学校など
に通っていることが条件です。
【編集後記】
昨日は毎日のブログ更新。
午後からはインボイスのパワポづくり。特例が多くてどこまで解説するか悩み。