国税専門官時代の研修の思い出~国際科編~

国税職員時代に最後に受講した長期の研修が「国際科」です。

いわゆる国際課税分野の専門的な内容を扱う研修となっています。


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まずは選抜試験に合格することから

採用時の研修や専科研修と違って、国際科研修は国税局内部の選抜試験を突破しないと受講することはできません。

私が受講したときは、国際科の研修生は100名ほどだったと記憶しています。この100名を、全国の国税組織の希望者で争うという形になります。

また、選抜試験を受けるためにも別に条件が必要で、国税組織内の国際課税に関する通信研修を修了し、修了後数年間の職場経験(?)が必要となります。(ちなみに、受験資格を得ていても受験年齢の上限がありますので気を付けましょう)

そうです。入社後いきなり国際研修を受けます、ということができない仕様となっています。

私の場合、何だったら入社前、大学の授業で国際課税分野を学んだときからこの研修に目を付けていました。そのため、数年単位で戦略的に動いて効率よく受験資格を取れるようにしていました。

なお、私の場合、効率よく動いても選抜試験の受験資格を得たのは入社して9年目のことでした・・・(最速です)。

なので、国税組織で国際分野に進んでみたいという方は、長期スパンで考えるようにしましょう。

充実した研修内容

選抜試験を突破してきた人間向けの研修だけあって、国際科はかなり高度な内容を扱います。

所得税・法人税における源泉所得の考え方から租税特別措置法に用意された国際課税の制度、租税条約についての濃い授業や何だったら外国の税制についてまで・・・。

もうお腹いっぱいです。ただ、これだけの内容を給料もらいながら勉強だけしていればいい、という状況は、私としては本当にありがたい。

自分で外部に学びに行こうとすると、いったい費用がいくらかかるのやら。

それに、仕事しながら特定の分野を座学するというのは、なかなかにハードなものですし。

国際科は受講するまでが一番大変

ということは声を大にして言いたいです。

最初にも言いましたが、選抜試験制なので、熱意とかやる気とかで解決するものではありません。

試験は年に一回。この一回のために、長期にわたって選抜試験の勉強をする必要があります。それに、試験勉強はプライベートの時間を使うことになります。

最初の試験はまだいいんです。でもそこで不合格だった場合は?

来年の選抜試験に備えて勉強できますか?

合格するまで受験し続けることができますか?

・・・難しいでしょう。

私の場合、最初の試験は不合格でした。それでも、まだ2回目の試験に向けて勉強を続けることができました。

2回目の試験にも不合格だっだら?3回目の試験のために勉強を続けたかどうか。かなり怪しいと言わざるを得ません。

自分のモチベーションを維持し続けることができるかが一番大切だと考えます。

【編集後記】

研修自体はそんなにハードなものではありません。研修生は、みな過去に長期研修を受けていますし。それに比べたら全然。

まぁ、同じ境遇の年の近い人間が周りに多数いる、という状況なので研修中はむしろ”楽しい”という感覚でした。

現役職員で国際科受講を目指している方がいらっしゃいましたら、影ながら応援いたします。

さて、昨日は午前中に毎日のブログ更新。

午後からは事務所の月次決算。夕方から図書館へ行って予約していた本を受け取りに。

外出すると、段々暖かくなってきたことを実感。