国際税務を学びなおす1~そもそも論~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日からは「国際税務の役割」に関して書いていきます。
なんで国際税務なのか?
と、思われるかもしれません。
単純に言うと、自分の中に未消化になっている思いがある、というのが答えです。
国際税務に関して最初に触れたのは大学生の時に受けた講義でした。
受講してみて、自分の中でハマった感覚がありまして、それ以来ずーっと、とろ火のような興味を持ち続けていたのです。
卒業後に国税局に就職した際も、国際税務分野の仕事ができたらいいな、と考えていました。
そこで、国際税務を専門的に学ぶ職場内研修を受講することが、自分の中での当面の目標になっていました。
そして何とか入社後十年がかりで研修を受講し、頭の中に大量の知識を注入した直後、いろいろあって退職してしまったのです。
ということもあって、何というか、自分の中で「もったいないな」という感覚が残っている状態です。
研修後に仕事でロクに使っていないせいで、せっかく学んだ知識も錆びついているし。
だったら、また一つずつ勉強しなおそうかと思った次第です。
国際税務の役割
そもそもなぜ国際税務の分野があるのでしょうか。
定義を紹介しますと、
国境を越える取引に対してどうやって課税するのか
というテーマを扱っているようですね。
別に、日本は日本で勝手に課税すればいい。
と、思いたくなるかもしれませんが、それを全世界の国々でやり始めてしまいますと、下手したら自分の収入に二重に税金をかけられてしまうかもしれませんね。
それではまともに商売ができなくなってしまうので、
日本と他国との間で「納税者に課税する権利」を調整する
ことが国際税務の役割として求められているのです。
また一方で、国家間の課税する権利を調整する裏で、どの国からも課税されない事態が生じるかもしれません。
どの国からも課税されない状態を防いで、日本としての納税者に課税する権利を確保すること
これも、国際税務の役割として大事なものです。
すべてはこの2つの役割から
2つの役割は、国際税務を学ぶ上で一番大事なことかなと思っています。
国際税務と言いますと、最初に学ぶのは「居住者・非居住者」のあたりでしょうか。
なんでこんな税制があるのか、上に書いた2つの役割から見るとそのものですよね。
国際税務分野のいろいろヤヤコシイ複雑な税制は、すべて2つの役割から始まっています。
あまりにも細かい議論になっていくと袋小路にはまってしまうので、そうなったときはこの2つの役割に立ち返ることも必要になるでしょう。
忘れないようにしたいです。
【編集後記】
ということで、新しいテーマで記事を書いていきます。
消費税編は全部で46回でした。国際税務編は全部で何回になるのか、見当もつきませんがお付き合いいただければと思います。
さて、昨日は朝一のブログ更新。
午後からはオンラインで面談。税務調査一般に関して。
生成AIについて食わず嫌いだったので、現在挑戦中。