国際税務を学びなおす9~恒久的施設③~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は国際税務を学びなおす。恒久的施設の続きです。
<参考>
「PE」から外れる場合
「国際税務を学びなおす7」で、PEの「支店等」から外れるものをご紹介しました。
これは、以下の活動が非居住者・外国法人の事業の遂行にとって
準備的又は補助的な性格のもの
である場合は、その場所はPEではない、というもの。
- 施設を物品や商品の保管や展示、引渡しのみに使っている場合の「その施設」
- 施設を物品や商品の在庫を保管や展示、引渡しのみに使っている場合の「その施設」
- 物品や商品の在庫を、他の事業者に加工してもらうためにのみ保有している場合の「その保有している場所」
- 物品や商品を購入したり、情報を収集することのみを目的として支店等を保有した場合の「その場所」
- 事業のために、上記以外の活動を行うことのみを目的として支店等を保有した場合の「その場所」
で、この「外れるもの」、他のPEである「建設作業場」「代理人等」にもあてはまるのです。
「建設作業場」「代理人等」であっても、一定の活動内容が「準備的又は補助的な性格」であれば、PEから外れることになるのです。
・・・段々ややこしくなってきましたね。
最後に全体像を整理しますので、とりあえず次に進みます。
さらにもう一段重ねる
これで終わりではないのです。
PEから外れる場合のポイントは何でしたか?
「準備的又は補助的な性格のもの」
でしたね?
そこでいろいろ考えた人がいるんですね。
「国内の拠点を細かく分散して、それぞれ一つ一つが準備的又は補助的な性格と言えるように細切れにしてしまえばいい」
となりますと、当局としましても対応せざるを得ません。
次のようなケースの場合、その拠点が「準備的又は補助的な性格」であったとしても、PEとなります。↓
- 拠点同士を一体として見たときに、組合せによる活動の全体がその事業の遂行にとつて準備的又は補助的な性格のものでない場合。
ざっくり言うとこんなルールが付け加えられてしまいました。
最後に全体像を整理する
PE編はこれでおしまいです。
全体を整理しておきますと、
<PEには3種類ある>
- 支店等
- 建設作業場→「期間が1年を超えること」が条件。ただし、契約を分割した場合は、合算して考える。
- 代理人等→「独立代理人」は除く。
↓
<準備的又は補助的な性格>
3種類のPEに該当しても、一定の活動が「準備的又は補助的な性格」であるとされた場合は、PEではなくなります。
↓
<一体として見たら?>
「準備的又は補助的な性格」の拠点を複数作り、PEから除かれたとしても、
それらを一体として見たときに準備的又は補助的な性格と言えない場合は、やっぱりPEに該当する。
税制でよくある、
原則→例外→例外の例外
というパターンです。
こういうのは、これからいくつも出てきますので、全体像を意識して一つずつ理解していきましょう。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは買い物したり、週末の出張の準備、単発相談のご依頼への対応など。
オンライン研修を少しだけ。