国際税務を学びなおす8~恒久的施設②~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は国際税務を学びなおす。恒久的施設の続きです。
<参考>
PE②「建設作業場」
ここからは2つ目のPE、建設作業場を見ていきましょう。
これはどんなものかと言いますと、
非居住者・外国法人の国内にある、建設、据付けの工事、これらの指揮監督の役務の提供を行う場所
という意味合いになっています。
ただ、何でもいいという訳ではなくて、
一年を超えて行われるもの
という条件がつけられています。
では、この「一年を超える」かどうかの判定は、どうするのか?
基本的には、建設工事に必要な期間が一年を超えることが契約等からみて明らかであれば、建設作業場に該当する、ということになります。
ただし。
色んな事を考える方がいるもので、
「建設工事の期間を一年以下に細切れにして複数の契約を結べば、PEにならないのでは?」
ということで、PE認定を回避しようとするケースが考えられます。
ここは法律の網をかぶせまして、
細切れにした契約を加算して工事必要な期間を判定する
ことになっています。
あ、もちろん、「正当な理由」で契約を細切れにした場合は、OKです。
PE③「代理人等」
3つ目のPE代理人等です。
非居住者・外国法人が、国内に置く自己のために契約を締結する権限のある者
これは名前の通りですね。
・・・施設・場所だけではなく、「人」もPEになるんですね。(法人かもしれませんが)
ただ、「代理人」と言っても何でもいいわけではなくて、
- 本人のその事業に関し、
- 反復して以下の契約を締結し、
- 又は本人に重要な修正が行われることなく日常的に締結される以下の契約の締結のために反復して主要な役割を果たす者
という条件があります。
キーワードを抜き出すと、
「反復」とか、「重要な修正が行われることなく」とか、「主要な役割」とか。
これを前提に、
- 本人の名において締結される契約
- 本人が所有・使用権を有する財産について、所有権を移転・使わせる契約
- 本人によるサービスの提供のための契約
このような内容の契約を結んでくる存在が、「代理人等」となるのです。
「代理人等」から除かれるパターン
ちょっと長くなってきたのでここで話題を区切りましょう。
「代理人等」から除く必要のある者をご紹介します。
「独立代理人」と呼ばれています。
その事業に係る業務を、本人に対し独立して行い、
かつ、
通常の方法により行う。
このような方は、PEにはならないのです。
もう少し詳し目に見ていくと、
- 本人から詳細な指示や包括的な支配を受けず、十分な裁量権を有するなど本人から法的に独立していること。
- 当該業務に係る技能と知識の利用を通じてリスクを負担し、報酬を受領するなど本人から経済的に独立していること。
- 代理人として当該業務を行う際に、代理人自らが通常行う業務の方法又は過程において行うこと
この赤文字の部分にすべてあてはまるようなケースは、代理人であってもPEにはならないのです。
【編集後記】
次回で「恒久的施設」に関しては一区切りにする予定です。
全体像を整理したいところ。
さて、昨日は朝一のブログ更新。
午後からは書類作成と打ち合わせの準備。