国際税務を学びなおす70~外国子会社合算税制㉑~

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は国際税務を学びなおす。外国子会社合算税制のまとめです。

外国関係会社

長く続いた外国子会社合算税制(CFC税制)も最後です。

非常に長~く続きましたので、最後に制度全体を簡単に振り返っておきましょう。

そもそもCFC税制とは、外国にある子会社の利益を日本の納税者のものとして合算して課税する制度でしたね。

で、どんな外国子会社がその対象になるのかというと、日本の居住者・内国法人が50%超の出資関係にあることが最低条件。

この出資されている外国子会社のことを「外国関係会社」と呼んでいます。

外国関係会社ですが、さらに3パターンに分かれまして、

  1. 特定外国関係会社
  2. 対象外国関係会社
  3. 部分対象外国関係会社

となります。

以上のどれかにあてはまると、CFC税制の対象になってくるのです。

さらに、日本の納税者も条件があります。

外国関係会社の株式を持っている人誰でも、ではなく、

外国関係会社の株式などを10%以上保有している居住者・内国法人・グループ

が日本でCFC税制で合算して納税することになるのです。

特定外国関係会社

3パターンありまして。

1:事務所等の実体がなく、かつ、事業の管理支配を自ら行っていない外国関係会社

いわゆる「ペーパーカンパニー」のことですね。

これは、以下の基準のどれにも当てはまらない会社のこと。

  • 実体基準
  • 管理支配基準
  • 他の外国子会社の持株会社で一定の条件を満たす
  • 本店所在地国の社会資本の整備上欠くことのできない機能を果たしているなど

2:事実上のキャッシュボックス

イメージとしては、

お金や資産をたくさんもっているけど、自ら事業遂行したり、リスク管理をするために必要な機能を果たしていない会社。

3:ブラックリスト国に所在する外国関係会社

情報交換に非協力的な国・地域に本店所在地国がある会社が該当しますが、

現時点では該当はありません。

なお、適用の免除基準として、

外国関係会社の租税負担割合が30%以上

というものがあります。

対象外国関係会社

ペーパーカンパニーとまではいわないけど、

租税回避リスクがありそうだ、という会社のこと。

次の経済活動基準のどれかを満たさない場合です。

  1. 事業基準
  2. 実体基準
  3. 管理支配基準
  4. 非関連者基準or所在地国基準

適用免除基準としては、

外国関係会社の租税負担割合20%以上

そして、ここまでは外国関係会社の所得全体が合算の対象でした。

最後にもう一類型ありまして、それが

「部分対象外国関係会社」

というもの。

その名の通り、外国関係会社の所得のうち一部だけを合算課税の対象にするというものです。

一部だけとは・・・

剰余金の配当、受取利子、有価証券の貸付や譲渡損益、金融取引、固定資産の貸付け、無形資産等の貸付や譲渡損益など。

そこに、「異常所得」というものも合計して合算対象を求めていきます。

こういったものを「受動的所得」を表現しまして、

外国関係会社の事業上、重要な業務から生じたものを除いた結果、残っている所得は租税回避リスクがあるよね、という趣旨でこのような方法を取っているのです。

もちろん適用免除もありまして。

  • 外国関係会社の租税負担割合が20%以上であること。
  • 部分合算課税の対象になる金額が2000万円以下であること。
  • 部分合算課税の対象になる金額が外国関係会社の所得金額の5%以下であること。

のどれかを満たせば、部分合算課税の対象とはならなくなります。

【編集後記】

昨日は朝一のブログ更新。

午後からは運動のために散歩をしたり、

テレビゲームをしたり、

仕事の資料を作成したり色々と。