国際税務を学びなおす64~外国子会社合算税制⑮~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、国際税務を学びなおす。外国子会社合算税制の対象外国関係会社の判定の続き。
<参考>
実体基準・管理支配基準
ここの2つはあっさりめに。
実体基準→本店所在地国で主たる事業を行うに必要と認められる事務所、店舗、工場その他の固定施設を持っていること。
一つ注意は、「賃貸でもOK」ということ。自社ビルにこだわりません。
管理支配基準→本店所在地国において、事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること。
ポイントは「自ら」で、その外国関係会社が事業計画の策定等を行い、
事業計画等に従い裁量をもって事業を執行すること。
そして、その結果責任を負うこと。
なので、
- 外国関係会社の役員が他の法人の役員との兼務であったり、
- 事業計画策定の際に親会社と協議をしていたり、
- 業務の一部を他の外国関係会社に委託していたり、
こんなことがあっても、これだけで「自ら」事業の管理支配運営を行っていない、とはならないことに注意です。
非関連者基準
4つめの判定基準は2種類ありまして。
外国関係会社の主たる事業の内容によってどちらの基準で判断するか変わってきます。
主たる事業が、
卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業又は航空機の賃貸業
の場合。
この「非関連者基準」で判断することになります。
判断基準の内容はシンプルに、
自分の関連者以外と取引をメインで行っていること。
で、肝心の「関連者」って誰なのか?↓
- 出資をさかのぼって、CFCの納税者となる日本の居住者等、その親会社も
- CFCの納税者が支配している他の外国法人
イメージ的には、
出資関係があるグループの会社
という感じでしょう。
あと、「取引をメインで行う」というのは↓
その主たる事業に関する、収入ないし支出の金額のうち、関連者でない取引先に対するものが50%を超えていること。
要するに。
上に書いたような業種の会社が、同一グループという身内ばっかり取引している、ということになりますと、
「なんで低税率国に本社があるの?」
というツッコミが入りやすいんでしょう。
あ、一つ要注意。
「だったら、関連者以外の取引先を間に挟んで取引すれば、クリアできるのでは?」
と思いましたか?
もう、塞がれています。
最初から間に入って取引することが契約などにより決まっている場合は、
関連者以外の取引先を挟んで取引をしても関連者と取引したとみなして判断を行うことになっています。
所在地国基準
非関連者基準で判断する業種以外の主たる事業である場合はこちら。
「所在地国基準」で判断します。
これは単純に、
主たる事業を主として本店所在地国で行っていること。
で、少~しだけ範囲について説明がありまして↓
- 不動産業→本店所在地国にある不動産の売買や賃貸、取引の代理、仲介を行っている場合。
- 航空機以外の物品賃貸業→本店所在地国で使用される物品の貸付けを行っている場合。
- 製造業→製造における重要な業務を通じて製造に主体的に関与している場合。
こういう場合でも、所在地国基準を満たす、ということになっております。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午前中に同業の方とオンライン面談。
午後からは駅前の眼科を受診。