国際税務を学びなおす60~外国子会社合算税制⑪~

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、国際税務を学びなおす。外国子会社合算税制の続き。


<参考>


事実上のキャッシュボックス

CFC税制の対象となる「特定外国関係会社」には3パターンあり、

  1. 事務所等の実体がなく、かつ、事業の管理支配を自ら行っていない
  2. 事実上のキャッシュボックス
  3. 情報交換に関する国際的な取組みへの協力が著しく不十分な国・地域に所在する

で、昨日まではパターン1についてお話をしてきました。

かなりのボリュームだったと思います。

今回は、2番目の「事実上のキャッシュボックス」についてお話をします。

キャッシュボックス、初めて出てきた単語ですね。

何かと言いますと、

  • たくさん資本を持っていながら、
  • 自ら事業を行ったり、リスクの管理をするために必要な機能をほとんど果たしていない会社など」のこと

(※正確には「会社など」ではなく、「事業体」と言うのだそうです)

要するに、お金はたくさん持っているけど、ほかに何もできない会社、というイメージかなと。

こんな状態の会社ですから、

「なんでそんな低税率の国にわざわざ本社を構えているの?」

と、なってしまうわけです。

条件はシンプル

判定条件はシンプルです。

①その会社などの総資産額に対する、「一定の受動的所得」の合計が30%を超えていること。

②その会社などの総資産額に対する、「一定の資産」の合計が50%を超えていること。

この2つの条件を満たすと、キャッシュボックスと判定されてしまいます。

「一定の受動的所得」。

この言葉からどんなイメージを受けますか?

例えばこんな所得です↓

株式の配当、受取利子、有価証券の売却収入、固定資産の賃貸、無形資産の使用料・・・。

言い方は悪いですが、どこでもビジネスできるじゃないの、と。

また、「一定の資産」とは、

有価証券、貸付金、固定資産、無形資産など。

こういう資産が過半を超えているような場合。

例え、特定外国関係会社の最初のパターン「ペーパーカンパニー」の疑いを乗り越えたとしても、特定外国関係会社と判定されてしまうのです。

特定外国関係会社はここまで

今回で、特定外国関係会社編はおしまいです。

3番目の、

情報交換に関する国際的な取組みへの協力が著しく不十分な国・地域に所在する

パターンは、現時点では該当がありません。

では、CFC税制の判定は終わりか、というと、まだまだ続きます。

次回からは、「対象外国関係会社」に入ります。

【編集後記】

昨日は朝一に西荻窪で会合に参加。

駅までのそうめん屋さんで昼食を取り、近くのカフェで一休みして帰宅。

夕方までブログ更新。

クライアントからデータが届いたので、エクセル集計に反映させ、税額の試算を行う。