国際税務を学びなおす53~外国子会社合算税制④~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は国際税務を学びなおす。外国子会社合算税制の続き。
<参考>
基準①:補足
外国関係会社にあてはまる基準の一つ、
持株割合、議決権、請求権のいずれかが50%超であること
について。
この「50%超」を回避できるかどうかで色々と考えます。
例えば、
日本国内に会社をいくつか作って、1社で50%を超えないように出資して外国法人を作る
とか。
あるいは、
自分の家族にお金を出してもらって会社をそれぞれで作って、1社で50%を超えないように出資して外国法人を作る
とか。
こういうことで外国関係会社に該当することを回避できるとマズいので、
1グループにまとめて50%超の判定を行うことになっております。
イメージとしては、
日本からの出資などの合計が50%超かどうかで判断する
と私としては思っています。
単純に1社or1人からの出資かどうかで判断するわけではありません。
基準②:実質支配
具体的にどんな状態か?
- 外国法人の残余財産のおおむね全部について分配を請求する権利を有していること。
- 外国法人の財産の処分の方針のおおむね全部を決定することができるという契約などの取り決めが存在すること。
このどちらかであれば、外国法人に対して実質的に支配しているということになり、外国関係会社に該当することになります。
あ、基準①に該当しているようなら、基準②は検討する必要はありません。
基準①に該当しなかった場合に、基準②も検討することとなります。
また、2の財産の処分方針ですが、
これは残余財産に限定されていませんので注意。
名義株に要注意
「わかった!全然関係がない外国の会社に、外国法人の株式を持ってもらって50%超を回避だ!」
まぁ、そういうことを考える方もいるんでしょう。
株式の計算では、「名義株」は実際に権利を持っている方のものとして計算をすることになっています。
ですから、第三者に株式の名義を借りる、なんてしてもこの制度の適用の回避はできないのです。
ただし。
世界の国には、外国からの出資を制限している国もありまして、
外国人・外国の会社からの出資を一定割合以下にしないとビジネスできない、などと言う制度もあったりします。
その時にこの名義株を現地の人や会社に持ってもらって、規制を回避しよう、ということも現実にはあるようです。
私も実際に、このケースに遭遇したことがあります。
確かに制度上、名義株を持ってもらうことは仕方ないのかもしれませんが、
だからと言って外国子会社合算税制の適用の回避はできないので、検討の際は要注意です。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からクライアントとオンライン打ち合わせ、買い物。