国際税務を学びなおす52~外国子会社合算税制③~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は、国際税務を学びなおす。外国子会社合算税制、外国関係会社に入ります。
<参考>
外国関係会社
ここから始まります。
その前に、制度の全体像の記事について参考にリンクを貼っておきますので、
現在位置がわからなくなったときは参照してください。
さて、ではどのような条件を満たせば「外国関係会社」に該当するのか?
2つ基準がありまして、どちらかを満たせば外国関係会社に該当することになります。
(※3つ目の基準もありますが、対象が「金融機関」に該当する法人であるため割愛)
基準①:割合が50%「超」
- 株式の保有割合
- 議決権の保有割合
- 請求権の保有割合
この1,2,3のいずれかが50%を超えていれば、外国関係会社に該当します。
はい、注意点です。
50%ちょうどではありません。
ここ間違いやすいところ。他の税制では「50%以上」が基準になっているものも多くあり、混同しやすいのです。
さて、まず1番ですが、これはわかりやすいですね。そのままズバリです。
2番。議決権とは何か?=剰余金の配当に関する決議についての権利のことです。単純に持株では半分ないけど、剰余金の配当を決める段階では大きな権利を持っている場合も対象にはなります。
3番。請求権=剰余金の配当を請求する権利のこと。
で、内国法人や居住者が外国関係会社の株式などをストレートに持っているのであれば計算は簡単。
でも、出資関係などが複雑になっている場合はどうするのか?
出資関係が複雑な場合
ポイントは、出資が50%を超える割合で、関係が続いているのかどうか。
例えば↓
日本のA社が外国の会社B社に出資し、B社がのさらにそのまた外国のC社に出資しているような場合で、
C社が外国関係会社に該当するかどうかを検討するとします。
A社→B社への持株割合が50%を超えているのなら、
A社からの出資が連鎖すると考えますのでB社からC社への持株割合が50%を超えていれば、C社はA社の外国関係会社に該当する、ということになります。
また逆に、
A社→B社への持株割合が50%以下の場合、
これは、A社からの出資の連鎖がが途切れたと考えますので、C社はA社の外国関係会社ではない、ということになります。
え?A社→B社、B社→C社の持分割合を掛け算しないのか?
数年前までは、掛け算をしていました。
でも、改正の結果、掛け算をせずに、例の場合ではB社→C社の持分割合をそのまま計算に使う、ということになっていますので、割合の計算方法には気を付けましょう。
<参考>
A社→B社が60%、B社→C社が80%の場合。
掛け算方式は、60%×80%=48%となりますので、C社は外国関係会社ではないとなりました。
連鎖方式は、A社→B社の持株割合が50%を超えており出資が連鎖していますので、B社→C社の持株割合で判断します。この場合では、持株割合は80%となり、C社は外国関係会社に該当する、ということになります。
次回、この基準①についてもう少し補足します。
【編集後記】
昨日は税務署を閲覧申請のため訪問。
帰宅してから、ブログ更新やクライアントとの打ち合わせなど。