国際税務を学びなおす44~外国税額控除⑦~

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は、国際税務を学びなおす。「外国で稼いだ所得」の計算に進みます。


<前回>


外国で稼いだ所得=「国外所得金額」

と呼んでいます。

今年の所得金額のうち、国外所得金額に対応する部分だけしか外国税額控除はできない。

前回はこういう話でした。

この計算自体もなかなか厄介ではありますが、

国外所得金額のうち、法人税の課税の対象にならないものは除かなければならないということになっています。

で、この国外所得金額、要は何かというと。

国外源泉所得

を言い換えたようなもんです。

例えば・・・

  • 国外にあるPEに帰属する所得
  • 国外にある不動産を売却したり、賃貸した場合の所得
  • 外国債券の利子

などなど、こういったもののこと。

イメージ的には、このシリーズの最初の方で扱った

国内源泉所得の逆版

と思えばいいんでしょうか?

このあたり、法人税法につらつらと列挙されていますので、読んでみるのもいいでしょう。

で、最初に戻ると、

この国外源泉所得のうち、法人税を課税しない所得を除いたもの「国外所得金額」

となります。

まずはこれを計算しなきゃいけない。

外国で非課税の所得を除く

そして、この「国外所得金額」から、

外国法人税が課されない所得をさらに除きます

なお、これには租税条約によって外国法人税の課税が免除されている所得も入ってしまいます。(一部例外あり)

こればっかりは、やむを得ない、ということ。

元から課税しないのか、特別に課税しないとか、そこは関係なく、外国法人税を課税しない以上は二重課税になってはいないから、ということなんでしょう。

この計算をした結果の金額を、「調整国外所得金額」と呼んでいます。

ここまでやって一段落

計算式を書いておきます。

国外源泉所得-「法人税の課税の対象にならないもの」=国外所得金額

国外所得金額-「外国法人税が課税されない所得」=調整国外所得金額

で、この計算した「調整国外所得金額」が所得金額に占める割合によって、外国税額控除の控除限度額が決まってくる・・・。

外国税額控除のメインは、

  1. 控除対象外国法人税の計算→外国税額控除の控除額の計算の大元部分。
  2. 調整国外所得金額の計算→外国税額控除の上限額の計算。

この2つです。

その2つの計算をそれぞれやって、ようやく完成する、ということ。

【編集後記】

昨日は朝一のブログ更新。

午後から図書館へお出かけ、帰宅してクライアントの申告作成に着手。