国際税務を学びなおす40~外国税額控除③~

おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。

今日は国際税務を学びなおす。外国法人税の範囲について。


<参考>


外国税額控除の対象は?

外国の法令に基づき外国又はその地方公共団体により、法人の所得を課税標準として課される税

でした。

前回の復習です。

今回のポイントは、後半の

法人の所得を課税標準として課される税

です。

ここにあてはまらないと、外国で税金を払っても「外国税額控除」の対象とはなりません。

このあたり、世界の国々では結構微妙な税制を設けている国もありまして、

「これは外国税額控除の対象となる税金だ!!」

と言って納税者と国税当局が裁判所で争ったような税金もあるのです。

・・・そのたびに、抜け穴を防ぐということで税法がいじられていくのですが。

これは外国法人税に「含まれる」もの

ある程度具体的に列挙しています。

  1. 超過利潤税その他法人の所得の特定の部分を課税標準として課される税
  2. 法人の所得又はその特定の部分を課税標準として課される税の附加税
  3. 法人の所得を課税標準として課される税と同一の税目に属する税で、法人の特定の所得につき、徴税上の便宜のため、所得に代えて収入金額その他これに準ずるものを課税標準として課されるもの
  4. 法人の特定の所得につき、所得を課税標準として課される税に代え、法人の収入金額その他これに準ずるものを課税標準として課される税
  5. 自国内最低課税額に係る税

はい、こうやってじっと見ると一定の法則が見えてくるような気がします。

「所得の特定の部分」とか、「所得に代えて」とか。

あくまで原則は所得を基準にして計算する税金ですよ~と主張しているように見えます。

法人の所得を課税標準として課される税

とはちょっと違うかもしれませんが、ここまでは許容範囲ですよ、ということで外国法人税に含んで計算していいことになっています。

それってどんな税金なの?

1について。

一般的に、「儲けすぎ」と考えられた企業や業界に対して、一般の税金にプラスされる形で課税される税金の様です。日本でも、戦後すぐの時期にあったらしい。

2について。

法人住民税の法人税割です。

法人の所得を基準にして計算した法人税の金額を基準にして計算するのが法人税割。これも、大元をたどれば所得を課税標準として課される税だから、ということなのでしょう。

3について。

利子とか配当について課される源泉徴収税のことです。額面金額に課税されますものね。

4について。

農産物税とか、石油会社税、などというものが外国にはあるそうです。

5について。

最近話題の、「グローバル・ミニマム課税」というやつです。この制度で課税された税金も、外国税額控除の対象になります。

【編集後記】

基本はあくまで

法人の所得を課税標準として課される税

ですね。

で、ここから微妙にずれていても認められるケースはある、ということ。

昨日は朝一のブログ更新。

午後から、翌日のクライアントとの面談の準備。

夜は書類のデータ化、整理。