国際税務を学びなおす38~外国税額控除①~
おはようございます。東京・練馬の税理士、村田龍矢です。
今日は国際税務を学びなおす。外国税額控除に入ります。
<参考>
考え方をおさらい
最近は、国内源泉所得から租税条約という風に進んできました。
今回からは、「外国税額控除」についてお話をしていきます。話の中身がガラッと変わりますので、いったんここで立ち戻りましょう。
結構前に、2つの課税方式がある、というお話をしました。
1つめは居住地国課税。その国の居住者に対して、全世界所得を対象に課税をするというもの。
2つめは源泉地国課税。非居住者に対して、その国で稼いだ(国内源泉所得)を対象に課税をするというもの。
で、これを貫くと困ったことが起きるのです。
日本から海外で働くという場合。
あくまで日本の居住者であるという前提に立つと、
日本国から全世界所得に課税を受け、海外ではその国で稼いだ所得に対して海外の国で課税される。
海外で稼いだ所得に対しては、日本と海外で二重に課税を受けていることになります。
・・・ということは、国際間をまたいだ取引なんてせずに、日本に籠っていたほうが税金面では有利ということに。
こうなりますと、税金の制度が経済取引を邪魔していることになってしまいます。
これはよろしくない。
二重課税を解消するために
2つの手段があります。
①海外でかけられた税金を日本で引いてもらう。(外国税額控除方式)
手っ取り早く、二重課税になった税金を返してもらう方法ですね。租税条約などでは、どちらかというと源泉地での課税を認めている取引が多いので、その納税者の居住地国において課税を譲ってもらう。ということです。
海外でかけられた税金を、日本で申告するときに納める税金から差し引くことになります。
②海外で稼いだ所得に対して日本で課税をしない。(国外所得免除方式)
そもそも、海外での稼ぎに課税をしなければ二重課税とはなりません。シンプルな考え方です。
日本の税制はどうなっている?
メインは①で、たまに②も使うかな、というところです。
①はもちろん「外国税額控除」という制度。そのまま。
②は法人税の方で制度がありまして、「外国子会社配当益金不算入制度」というもの。名前そのまま。
外国子会社から受け取った配当金、つまり海外での稼ぎに対しては、法人税を課税しないというものです。
【編集後記】
昨日は朝一のブログ更新。
午後からは税理士会の研修会に参加。重加算税と質問応答記録書への対応について。
ロジックから押さえることは必要。
夜にエクセル入力を多少。